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何度も作って、思い出して。「タミヤのタイガーI」にある栄養と楽しさ。

 ティーガー1、先の大戦における最優戦車のアイコンであり、そのコンセプトは現代MBTにも通じるとさえ言われる、ドイツの重戦車。これをモチーフにしたプラモデルは数多くのメーカーから発売されていて、そのキットがメーカーの力量を表すような扱いすら受けるアイテムです。

 さて、我らがタミヤのティーガー……、あえて敬意を評してここからは「タイガーI戦車」と呼びましょう。1/35スケールを世界のスタンダードにしたタミヤは、このタイガー1戦車シリーズでAFV模型を新しい段階へ発展させました。形状の良さはもちろん、表面に圧延鋼板のような素材表現を取り入れて、ツルッとした表面にはさせず、全体的にこれが本物の戦車を圧縮したような空気をもまとうかのような仕上がりにしてきたのです。

 ミリタリーミニチュアシリーズのタイガーI戦車はNo.146の後期生産型にはじまり、No.194で中期型、そしてNo.216の初期生産型に至ります。タイガーI戦車のなかで最も進化したキットであり、2種類の車体後部のエアクリーナーの追加を含め、いろいろな車輌を製作できるようになっています。それゆえにオススメされる製品です。

 説明書の最初にまずどの車輌を作るか、という部分がオプションの選択に関わってきます。この初期型が良いところは、黒いジャーマングレーの車輌も、ダークイエロー単色の車輌も、3色迷彩の車輌も、色が選び放題なところ。自分が思う戦車色から作るものを決めるのも楽しいですよ。

 組み立て面でもやはり進化が鋭く、サスペンションアームを整える治具が入っていたり、組み立てで間違いのないように裏にパーツのナンバーを入れたり、ダボを工夫して左右を間違えると合わさらないようにしていたりと、かなり親切な設計になっています。履帯も接着剤でつけられるという簡単なものを取り入れて、複雑な足周りをなるべくシンプルに組み立てられるようにしています。

 が、タミヤのタイガー1を組んでいて思うのは、ただ単にスルスルといける部分があるいっぽうで、ユーザーが頑張る部分もそれなりにある、ということです。例えば砲身や砲塔後部には合わせ目が多少出るところがあり、この部分の処理をしっかりできますか、という問いかけがあること。現在MMシリーズでは新作には砲身のオプションが標準的に発売されていることもあって、やはりここをうまく断面形を保ってキレイに作れるというところが腕だめしにちょうどいい部分です。また車体上部の給気口には金網があり、それもオプションパーツとして発売されているので、自分で金属パーツを使ってみる、というチャレンジもできます。

 またティーガーという戦車の伝説や、完成品を何度も見たうえでも、やはり自分で組みながら思ったところは印象に残ります。砲塔が馬蹄形なのはよく知られていますが、前側は左右対称ではなくちょっとだけ左にズレているというところなどは組み立てているとよく実感できます。これ本当にズレてるんだ……というのを改めてまじまじ見たのが、最初に組んだときの思い出です。

 私も何度もこのタイガーIを作ってきてすらすらと組めるのですが、かつても現在もエアクリーナーのホースの扱いは要注意という感じで、その上でうまくこなせる現在にちょっとだけニヤリとするところがありました。何度作っても飽きないところは、やはり単にスルスルと進むだけではないプレイヤースキルを求められるところ、チャレンジしたところにより完成度が高められるごほうびがあることにあるのではないでしょうか。ある意味ではストレスになりかねない部分が”おもてなし”としてあることで、同じプラモデルを何回組んだとしても、違った道、違った完成に至るところ。これまたタミヤのプラモデルの真髄ではないかと考えています。

けんたろうのプロフィール

けんたろう

各模型誌で笑顔を振りまくフォトジェニックライター。どんな模型もするする食べちゃうやんちゃなお兄さんで、工具&マテリアルにも詳しい。コメダ珈琲が大好き。

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