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『サンドランド』の予告編が、僕にキューベルワーゲンのプラモデルを作れと言った。

 鳥山明が描いた漫画、『サンドランド』の予告編がスクリーンに流れると、思わず僕は「あっ」と声を出した。この日は日比谷ミッドタウンに映画を見に行ったのだ。

 僕が声を出したのは、サンドランドが映画化するからじゃない。主人公たちが乗っている青い車が、キューベルワーゲンをモチーフとした車だったからだ。青いキューベルワーゲンのような車が砂漠を走る。なんで青なんだろうと考えたが、それは砂漠の黄色と鮮やかな色相差を生み出すためだと気づいた。そんなことを考えていたらあっという間に映像は終わり、次の映画の予告編が流れ始めた。

 それにしても、なぜ「キューベルワーゲンっぽい!」と気づいたのだろうか。やっぱり前面にドカンと置かれているスペアタイヤだろうか。

 軍用車両の程よくキャッチーな見た目と、機能性がそのまま見た目に現れている姿ってなんとも言えない魅力がある。タミヤの1/35キューベルワーゲンを見ていると「ここが俺がキューベルワーゲンぽいって気づいたところね」とパーツ単位でその気づきを堪能できた。そういえば、サンドランドに出てきた車は砂漠を走っていたからタイヤはバルーンタイヤなのか、それとも漫画的な映えというかデザイン的なゴツさを強調するためにゴツゴツとしたタイヤなのか。どっちだろう。(編注/ちゃんとバルーンタイヤでした)

 我が家にあったのは砂漠感あふれるバルーンタイヤを装備した北アフリカバージョン……といってもバルーンタイヤと砂漠が結びつくようになったのはここ最近だ。凹凸がゴツゴツと入ったタイヤであればどこでも走れると思ったら違うんですね。

 それにしても名作映画の最初のつかみのように、キューベルワーゲンも最初の車体の裏面を作る工程が本当にぐっと来る。僅かなパーツを接着するだけで、急に精密な何かが目の前に現れるからだ。このときの、何かが始まる予感にゾワッとする瞬間が本当に楽しい。気が向いたときに、サンドランドの車よろしく青く塗ってみようと思います。

クリスチのプロフィール

クリスチ

1987年生まれ。デザインやったり広報やったり、店長やったりして、今は普通のサラリーマン。革靴や時計など、細かく手の込んだモノが好き。部屋に模型がなんとなく飾ってある生活を日々楽しんでいます。
Re:11colorsというブログもやっています。

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