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プラモ作りが楽しくなる説明書に出会えた話。「ドイツレベル 1/24 VW T3 マイクロバス」

 毎日息子を幼稚園のバス乗り場へ送り迎えしている。バスの窓越しに「バイバイ」と手を振ったり、バスのドアが開いてニコニコの顔で降りてくる息子の姿を見ると、息子の1日を運ぶ「バス」という乗り物が愛おしく見えてくる。バスっていいな〜と思いネットを調べていると、とても素敵なマイクロバスのプラモ「ドイツレベル 1/24 VW T3 マイクロバス」がヒットした。箱を開けて見ると、真っ白なパーツがゴロンゴロン。僕はプラスチックの色があるプラモが好きだからちょっと残念だな〜と思ったのだけれど、説明書を見てそんな気分は吹っ飛んだ。白であっても、リズミカルに好きな色が塗れて、組み立てていけそうじゃん! って工夫がされていたのだ。

▲説明書はフルカラー。組み立て工程ごとに、色を塗ると良いぞ!って部分に指定色が塗られていて、デカールを貼るところにはデカールと同じデザインが描かれている。塗料リストなどを行ったり来たりする必要は無し!

 フルカラー説明書の活かし方がとても素晴らしかった。このプラモは塗装をして完成させるなら、塗ってから組むと良いポイントが多数出てくる。そこで組み立て工程の中で、白いパーツを塗装する箇所は、色の指示記号と共に、その色が塗られていて、視覚で「こんな感じの色を塗ればいいのか」というのがすぐに分かる。もし指定ズバリの色を持っていなくても、黄色ならそれに近い黄色を塗っておけばいいじゃんって気分にもなれる。

 この方法なら、多くのスケールモデルの説明書でよくある「別ページにまとめた塗装リストの数字や記号」を何度も行ったり来たりして確認する必要がまず無くなる。それだけでとても快適だ。

▲メカ部分の細かい塗り分けも別アングルを用いて、しっかりと指定

 細かな塗り分けが必要なパーツは、別アングルの解説イラストもあり、しっかりと塗り分けたい人も安心なレイアウトとなっているのも良い。

 さらに説明書の冒頭には、ほぼイラストで「プラモを作るときの最低限のTips」がまとめられている。けっこうアニキな勢いで、これもまた良いのだ。

▲説明書を読め! 道具はあるか!? パーツ洗っておくと良いぞ。しっかり乾かせよ! いきなり接着しないで仮組みしろよ!! 全部いいこと言ってるのよ
▲小さいパーツはランナーのまま塗ると良いで。良いところついてくるね!!

 そして最後に感心したのが、組み立て工程の小窓に描かれたサイン。これはこの工程で行うことがまとめられている。その例がてんこ盛りになった部分を見てみよう。

▲左から、「接着剤を使います」「塗る箇所があります」「デカールを使います」「乾かす時間を必要とします」「デカール軟化剤があると便利」「クリアーパーツを貼る専用接着剤があると便利」

 上の写真は、ドアの組み立て工程。パーツの接着、塗装、デカールを貼る、ドアの曲面にデカールを密着させるのに軟化剤があると便利、慌てず乾かしてね、ドアには窓のクリアーパーツを接着するから、曇らないクリアーパーツ専用の接着剤があるといいよってなことをこういうサインで記している。国内のプラモでたまに「なんでこんなサインなの? 何度出てきても覚えられへん!!」ってのがけっこうあるのに対し、イメージが湧きやすいイラストになっているがとっても良い。

 プラモを組んだり塗ったりっていうのをサポートしてくれるのは、いつだって説明書。そこに力を入れている、工夫を盛り込んでいるメーカーのプラモってやっぱり素敵なのだ。

フミテシのプロフィール

フミテシ/nippper.com 副編集長

1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)

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