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現在のプラモトレンドの源流は「ハセガワのA帯」にあり!模型に求める楽しさを再認識させてくれた1/72 アメリカ陸軍 P-47D サンダーボルト

 プラモデルを楽しむリッチさとは、繊細さを追い求めるだけではないのかも……。そんな思いをいつだって受け止めてくれて、戻してくれる場所が僕たちには用意されています。それがハセガワの「A帯」と呼ばれる1/72スケールの飛行機模型たちです。箱の脇に「A」という文字と帯が描かれていることから、A帯と呼ばれます。模型店に行けば必ずある、ちょっと古めのレジェンドプラモたちです。

 先日、マシーネンクリーガーの原作者であるスーパープラモアニキ・横山宏さんとお会いしました。その時に自分が完成させた「タミヤ 1/72 P-47D サンダーボルト」の写真を見てもらったんです。すると「今日ね、さっき模型店でハセガワのサンダーボルト買ったんよ。これあげますよ。また塗って見せてください」とサプライズプレゼントをもらってしまいました。しかも定番品のA帯サンダーボルトのキットにロイヤルエアフォース(イギリス空軍)のマーキングをセットした限定仕様! アメリカ機のかっこよさ(P-47Dはアメリカの飛行機)とイギリス機のかっこよさがマリアージュしちゃう素敵なプラモでした。

 横山さんもハセガワのA帯のキットを今でも購入しているんだということに少し驚きましたが、それだけこのシリーズには戻ってきたくなる魅力が詰まっているんだと思います。「少ないパーツ数」、「お手頃な価格」で飛行機模型に求める楽しさを十分に味わえるのです。

 今のプラモデルにこんな椅子が入っていたら「ちょっと乱暴すぎません?」って思うかもしれません。でもこれがいいのです。キットに付属するフィギュアを乗せてしまえば、コクピットの空間はある程度埋まり密度感が出ます。覗き込まなければ見えないし、飛行機全体のシルエットにも影響することはありません。秒でコクピットが出来上がるので最高です。

 サンダーボルトはエンジンの迫力がすごい飛行機。そういう部分はしっかりと特徴を押さえてきます。しかもパーツ数はこれだけ。

 組み上げるとこのような塊感になります。これだけ少ないパーツ数でも、飛行機の大トロ部分を表現してくるのです。

 ピトー管とか、機銃とか細分化されていたら接着するのにプルプルしそうなパーツも、翼と一体になっています。ありがたい! ピトー管は組み立て途中や塗装中に折らないように注意っす。

 30分でテイクオフ! 細かなパーツは一切ないのでダイナミックに飛行機模型を組んでいけます。しかも1000円以内で購入できる手軽さも、心に翼を与えてくれます。

 横山宏さんにいただいたということもあり、ふと「PLAMAX 1/35 ファルケ」を見ていると、ファルケもA帯の持ち味である「組みやすさ」「少いパーツでも特徴を楽しめるディテール感」を備えていると再発見。最新キットだからといって、究極の精密感を求めるのではなく、プラモデルを触れる人に寄り添える余裕というものが大事にされていたんですね。

 プラモデルにおいてちょっと昔のキットを手に取り、後ろを振り返ることは決して悪いことじゃないです。むしろ再発見ばかり! さまざまなメーカーの、さまざまなジャンルの新旧プラモをぜひ作ってください。特にハセガワのA帯は、プラモの世界でも最も手に取りやすいシリーズといえます。今の模型のトレンドのひとつともなっている「手早く組めて満足感も得られる」という源流がここにあるのです。飛行機模型を作ったことがない人も、今ゴリゴリに飛行機模型を作っている人も、今「A帯」に触れてください。きっと肩の力が良い感じに抜けてプラモデルを楽しめるようになりますよ。

フミテシのプロフィール

フミテシ/nippper.com 副編集長

1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。

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