誰もが自己肯定感MAXになれる究極のバイク模型/「タミヤ 1/12 オートバイシリーズ No.131 カワサキ Ninja H2R」

 組んだだけで「どえらいものを完成させたぞ!」という自己肯定感でライジングできるバイクプラモ。それがこの「タミヤ 1/12 オートバイシリーズ No.131 カワサキ Ninja H2R」だ。この写真は本当に組んだだけ。デカールやシールも貼っていない。説明書通りに組むだけで、この到達点が用意されているプラモなのである。

▲僕はタミヤのシルバーの成型色が大好きだ。今のメッキ塗料やシルバーの塗料のようなギラギラさがないのが良い。この銀こそ慣れ親しんだプラモらしい銀なのだ
▲バイク模型はパーツ形状も面白いものが多く、ランナーをぐるぐる冒険する楽しみが待っている。H2Rにも名所がたくさん。こちらはフレームのパーツ

 バイク自体が戦車や飛行機といった他にプラモになっているスケールモデルよりも実物が小さいので、模型と実物の距離感が最も近いと言える。そのためパーツに刻まれたディテールはすごく実感があり、模型を組む前にパーツを見ているだけでもすごく幸せな気分になれる。

▲成型色のこだわりがすごい。これによりこのバイク模型は組み立てるだけで圧倒的存在感を放つのだ

 フューエルタンクのパーツが収められたランナーには、金属粒子が練り込まれた成型色が採用され、ガンメタリックな輝きを放っている。パーツを傾けたりすると、成型色の中のフレークがキラキラと光を反射してとても美しい。このパーツがしっとりとした銀と黒の成型色ににより奏でるリズムが、組んだ時に僕たちに幸せな景色を見せてくれるのだ。

▲これがタミヤのパーツの美しさ。ラジエーターに刻まれた彫刻の美しさに遭遇すると、ずっと眺めていたくなって組み立てる手が止まるほどだ
▲タミヤのバイク模型には必ずドライバーがつく。このドライバーが何本も自宅にある人はツワモノプラモライダーってことだね

 バイク模型はプラとプラの接着だけでなく、ビスやビニールパイプ、スプリングなどのパーツを組み合わせていく楽しみがある。タミヤの高いパーツ精度で貼り合わさったパーツに、ビスをドライバーで締めていく。その時、手から伝わってくる「パーツ剛性が強化されていく」瞬間は、バイク模型組み立てのハイライトだ。

▲ビスを回すことで伝わってくるパーツ同士がしっかりと噛み合った感覚。これがとても気持ち良い
▲バイク模型は、組み上がっていく段階で異常なまでにメカニカルな景色を僕たちに見せてくれる。常に興奮の連続なのだ

 H2Rのデザインはエンジンを見せる(魅せる)ようにデザインされたハーフカウルを装備。そのため、完成後もみちみちのメカな要素を楽しめる。

▲そしてエアダクトからスーパーチャージャーへとパーツが繋がった時、これがH2Rの夢の通り道かとひとり震えたのだった

 約4時間。僕はH2Rに没頭した。時間でみると長いのかもしれない。しかし僕にとっては一瞬。いつの間にかランナーからは全てのパーツが無くなっていた。そして完成した姿は、僕の心を大いに満足させてくれた。こんなにも挑戦的なフォルムのバイクなのに、プラモの方は僕たちを優しく完成へと導いてくれる。これからバイク模型に触れたいという人に、タミヤの「1/12 カワサキ Ninja H2R」は間違いなくベストな選択と言えるだろう。

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フミテシ/nippper.com 副編集長

1983年生まれ。月刊ホビージャパンで12年間雑誌編集&広告営業として勤務。ホビージャパンで様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。「ホビージャパンnext」、「ホビージャパンエクストラ」、「ミリタリーモデリングマニュアル」、「製作の教科書シリーズ」などを企画・編集。