
組んだだけで「どえらいものを完成させたぞ!」という自己肯定感でライジングできるバイクプラモ。それがこの「タミヤ 1/12 オートバイシリーズ No.131 カワサキ Ninja H2R」だ。この写真は本当に組んだだけ。デカールやシールも貼っていない。説明書通りに組むだけで、この到達点が用意されているプラモなのである。


バイク自体が戦車や飛行機といった他にプラモになっているスケールモデルよりも実物が小さいので、模型と実物の距離感が最も近いと言える。そのためパーツに刻まれたディテールはすごく実感があり、模型を組む前にパーツを見ているだけでもすごく幸せな気分になれる。

フューエルタンクのパーツが収められたランナーには、金属粒子が練り込まれた成型色が採用され、ガンメタリックな輝きを放っている。パーツを傾けたりすると、成型色の中のフレークがキラキラと光を反射してとても美しい。このパーツがしっとりとした銀と黒の成型色ににより奏でるリズムが、組んだ時に僕たちに幸せな景色を見せてくれるのだ。


バイク模型はプラとプラの接着だけでなく、ビスやビニールパイプ、スプリングなどのパーツを組み合わせていく楽しみがある。タミヤの高いパーツ精度で貼り合わさったパーツに、ビスをドライバーで締めていく。その時、手から伝わってくる「パーツ剛性が強化されていく」瞬間は、バイク模型組み立てのハイライトだ。


H2Rのデザインはエンジンを見せる(魅せる)ようにデザインされたハーフカウルを装備。そのため、完成後もみちみちのメカな要素を楽しめる。

約4時間。僕はH2Rに没頭した。時間でみると長いのかもしれない。しかし僕にとっては一瞬。いつの間にかランナーからは全てのパーツが無くなっていた。そして完成した姿は、僕の心を大いに満足させてくれた。こんなにも挑戦的なフォルムのバイクなのに、プラモの方は僕たちを優しく完成へと導いてくれる。これからバイク模型に触れたいという人に、タミヤの「1/12 カワサキ Ninja H2R」は間違いなくベストな選択と言えるだろう。
