タミヤ 1/12 オートバイシリーズの「カワサキ Ninja H2R」が本当に最高のプラモだった。これまでミニバイクくらいしか作ってこなかった自分に、本気なバイクのかっこよさを見せてくれた。こうなると他の「タミヤのバイク」も作ってみたくなる。そこで模型店で、次は君に決めた! とばかりに「1/12 オートバイシリーズ No.6 ホンダCB750F」を手に取った。その理由はデザインに一目惚れしたから。まだまだバイク模型の楽しさの入り口にたったばかりの自分にとっては、模型を買う理由はそれだけで十分だろう。難しいことは考えない。かっこいいと思ったものに正直に向かい、作り、そこからこのバイクの魅力を知ればいいじゃないか。
プラモは、シリーズの中でも6番目という若さ(現在の最新作1/12 ドゥカティ スーパーレッジェーラV4は140作目)で、1982年に発売されたそうだ。箱を開けるとパーツ数が少なく、これなら1日で形になりそうだと俺の胸を高鳴らせてくれる。燃料タンクやテールカウルのパーツは真っ白。「好きな色に塗ってくれ」というタミヤのメッセージも確かに受け取った。
1982年生まれのパーツとは思えないほどかっこいいエンジン。プラモは、この大トロを一番最初に味わえる。全くずれがないほどピッタリとパーツが合わさり、大きくて迫力あるエンジンが、10分ほどで自分の目の前に誕生するのだ。
またこのキットのおかげで久しぶりに「マイナスネジ」に触れた。バイク模型は、接着の他に各パーツをネジで固定する。最近のキットはプラスネジが多いが、このキットはマイナスネジだった。ちょっと不意をつかれて、久しぶりに握ったマイナスドライバーの感触も、なんだか新鮮だった。
ちょっとだけ苦戦したマフラー。ハイグレード模型用で接着しようとしたら、そのボリュームでうまく接着することができなかった。定石通り、デザインナイフでメッキを剥がしてプラ用接着剤で貼り合わせた。4気筒エンジンから伸びるマフラーの無骨さ。この姿を見た瞬間、「このプラモを買ってよかった」と本気で思った。
今まで自分には無理だな〜と思っていたちょっと大きめのバイク模型のハードルは、「いいな」と思ったNinjaを組んで突破できた。そしてホンダCB750Fでは、一部自分の好きな色を塗って完成できた!! 少しずつだけど確実に自分がやってみたいことにチャレンジできている。こういう時期のプラモライフは楽しさしかない。興味を持った対象に、まずはニッパーを握ってご挨拶すれば、きっとプラモが応えてくれる。そんな姿勢で取り組んだプラモは、ご褒美として楽しい時間を絶対に提供してくれる。いいなと思ったら、その直感を信じてあなたの中の完走を目指して駆け抜けてほしい。あなたも俺たちと一緒に、どんどんプラモの世界を広げていこうぜ!
1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)