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「あの頃の苦手な接着」と向き合うプラモ/AVISの1:48 ネメス パラソル

 「プラモデルにおいて接着剤を使うのは苦手」という、かつて抱いていた先入観は、小学生のときに小さなバイクのプラモデルをうまく作れなかった経験からきている。流し込み式接着剤の存在なんて知らず、すぐに固まらない接着剤を使って作ったものの、最後まで完成しなかった記憶がある。そこからはたまに作ったとしても接着剤は使わないものばかりだった。
 しかし今となっては、自分もなんなくプラモデルを接着して作る側だ。だからつい、「今は道具が進化している」と言いたくなる。それにプラモデル自体も進歩が目覚しいので、貼るにしてもスムーズにできてしまう。

 ただ、「あの頃できなかったこと」が本当に克服できているかというと、正直かなり怪しい。うわぁ……となる瞬間にちゃんと向き合えているのかすら分からない。それは、言葉にできない防衛本能がプラモ売り場で働き、箱から伝わる雰囲気だけで「これはやめておこう」と逃げてしまっているからだろう。
 それでも惹かれたのが、AVISの1/48 ネメス パラソルだった。限定500個という印字に加え、QRコードを読み込むと実機の動画が見られる。エンジンがかかり飛んでいく姿を見て、すっかり心を奪われて購入してしまった。

 箱を開けると、少し不安になる姿が現れる。しかし同時に、世界中のプラモデルが同じ進化をしてきたわけではないことにも気づかされる。流し込み式接着剤を前提とした設計ではないことも、なんとなく分かる。そして、無意識に避けていたものだということも、パーツを見るだけでよく分かる。苦手なことに直面したときほど、「自分で自分を理解していたから避けていたんだな」と思う瞬間はない。
 パーツをできる限り整形して貼り合わせる。隙間ができたり、どうやってもハマらないものが出てきたりして頭の奥が少しグシャッとなる感覚に襲われる。それでも、設計者がやらせたいことはなんとなく伝わってくる。隙間に瞬間接着剤を流し込んだり、合わないパーツは削ったりしながら形にしていく。

 正直大変な作業だけども地道に進めてふと振り返ると、当時はゲームオーバーだと思っていた場面に対して、自分なりに対処しながら工程を進めていることに気づく。苦手だったものと対峙してなんとか乗りこなしていこうというポジションをギリギリ取っている感覚だ。
 ネメス パラソルは作るのに手間がかかり、完成はまだ遠い。「未完成で終わるかもしれない」と思うときに他の飛行機とは違う円形の翼が輝いてくるのだから、モチーフのユニークさというのは大事なことだなと感じる。それに当時できなかった接着作業やパーツ処理を辛抱強くやることで、あの頃の「できなかったこと」を乗り越えた気になれ、とても楽しい。

クリスチのプロフィール

クリスチ

1987年生まれ。デザインやったり広報やったり、店長やったりして、今は普通のサラリーマン。革靴や時計など、細かく手の込んだモノが好き。部屋に模型がなんとなく飾ってある生活を日々楽しんでいます。
Re:11colorsというブログもやっています。

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