週末の模型ライフが楽しくなっちゃうプラモを、フミテシの独断と偏見でお届けする「花金プラモ」。今週はタミヤの戦車模型「ミリタリーミニチュアシリーズ」(以下MM)からまもなく発売となる最新作「No.380 イギリス巡航戦車 コメット」をお届けします。第二次世界大戦のクライマックスに投入されたイギリス戦車。二次大戦期のイギリス戦車らしい平面構成のシルエットに、当時イギリス最強の対戦車砲と言われた17ポンド砲に匹敵する「Q.F.77mm砲」を装備。武骨で迫力ある戦車を作ることができます。
とにかくこのプラモのすごいところは「徹底した組みやすさの追求」にあると感じました。タミヤの戦車模型は世界で一番組みやすい戦車模型ですが、その次のステージにいった感さえあります。明確な接着位置、大きな軸とダボ、取付位置を間違えないようにする軸形状。それらがすべてのパーツに行きわたっていて組んでいて感動します。
組みやすさだけでなくディテールにもこだわっているので、装甲は細かくパーツ分割されています。そのため車体が組み上がっていく時に、他の戦車模型では味わえないパズル感を堪能できます。
足回りにも配慮が満載。パーツで見たときは「結構パーツ多いしたいへんそうだなぁ……」と思ったのですが、組んでみたら片側30分くらいで完成してしまいました。
ワイヤーロープはタミヤMMではこれまで、シンプルなプラ成型の物、昨今の多くのキットで採用されている紐とプラパーツを接着して表現するものなどいろいろな手法が取られてきました。コメットではひとつの動きに限定し、超絶クオリティの高いプラ成型のワイヤーロープがセットされています。
組み立ても超簡単。紐のように指定の長さにカットする必要も無しで、パーツを接着するだけで車体に取り付けられた形状になります。
ぜひとも一緒に購入してほしいのが「イギリス巡航戦車 クロムウェルMk.IV」。コメットはクロムウェルをベースにしているため、デザインの共通性も見られますが、各部がかなり異なっています。ですので、ベース車両からの進化をプラモで体感できます。リベット構造の派手なクロムウェル、溶接構造でスマートになったコメットといった外観の違いも楽しめますよ。
はじめてタミヤの戦車模型を作る人でもパーツ接着に迷いが出ないように、各部におもてなしが満載。完成するとボリューム満点&イギリス軍のかっこいい冬服を身にまとったアニキも堪能できる……。これは本当にマストバイな戦車模型です。ぜひ最新のタミヤ戦車模型の組みやすさをこのコメットで味わってください。最高の週末をお約束します!!!
1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)