ガンプラの全塗装でもシールは友達と思え!/HGUCクスィーガンダム奮闘記

 ガンプラの全塗装と言えば、パーツのすべての面を自分が吹き付けた塗料で覆うことを意味する。つまり「色再現のシールは絶対許さん!」みたいな話になりがちだが、さにあらず。ガンプラの箱に入っているシールは陰に陽に使えまくるから使おうぜ……という話をする。おれはラクをするためならどんな努力も厭わない人間だからだ。どうすればズボラに、しかもカッコイイおれだけのクスィーガンダムが生まれるか、パーツを眺めながらじっくりと考える。考えている時間が長ければ長いほど、いざ手を動かすときに悩まなくてすむ。そして決める。やっぱ胴体が紺色のほうがイカすのではないか。塗るべし。

 問題はシール4と5である。白いパーツにオレンジの台形の差し色が入るのだけど、このパーツをおれは紺色にしたい。紺色にしてから部分的にオレンジを塗るのはめんどくさい。なにを隠そうオレンジは暗い色の上からだと全然発色しないのである。こういうときは発色しやすい状態……つまり白いパーツのまま塗ればいいのではないか、というのが説明書を読んで記憶し、一週間ほかのことをしながら考えた結論である。なんとプラモはいつでも作れる(脳内で)。酒を飲んで友達と喋ったり、仕事中に部下に偉そうなことを言っている間も、おれはおれのクスィーガンダムを塗る手順を考え続けていたのだ。危ない。

 エアブラシで(缶スプレーでも筆でもいいよ)適当にオレンジのところを塗る。お客様!はみ出していますよ!という声がイーサネットケーブル越しにも聴こえてきそうだが、大丈夫だ。ズボラなおれにもはみ出していることくらいわかる。案外視力は良い。そして大事なのは、「上から塗る紺色はめちゃくちゃに隠蔽力が強い(しかもNAZCAはなんか異常に透けないのでこういう荒技に向いている)」ということだ。紺塗ってマスキングして白下地を吹いてからオレンジ……というのは超絶めんどくさいが、いきなり白いパーツにズボラにオレンジを塗るのが秘訣である。

 取り出したのはNAZCAの新色、「ダークブルーイッシュパープル」だ。言ってしまえば紺色。しかし赤みが強くてかなりドシッと落ち着いた色調で使い勝手が良さそうというかそもそもクスィーガンダムのプラスチックの紺色にめっちゃ似ている。ちょっと暗いので蓋ギリギリまで白い塗料を足して明るくした「おれのクスィーガンダム専用色」とする。こういうのはちょっとだけ調色するとあとで足りなくなって困るので、ビン一本まるごと自分の好きな色にしたほうが安心なのだ。

 ここになんと本来貼られるべきオレンジのシールを貼る。オレンジの上からオレンジのシールを貼るのは少々滑稽だが、これはマスキングテープ(バンダイスピリッツがカットしてくれている!)として使われるのだ。当然下にはオレンジじゃなくてキミの好きな色を塗ってもいい。ガンダムも、そして差し色も自由だ。そして……。

▲シールもろとも「おれのクスィー紺」を塗る

 シールを剥がす。「オレンジの塗料ごと剥がれたらどうすんだ!」という人はマスキングに使う前に手の甲に何回かペタペタ貼れば粘着力が落ちて安心だろう。よく見ると下端が多少ヨレているが、こんなもんはあとでタッチアップすれば良い(あと50cmくらい離れると全然わかんない)。それよりも紺色のなかにバキッとした台形のオレンジ色が鮮やかで嬉しい。

▲自己肯定感がクライマックス!

 胴体を仮組みすると、そこにはすでにめちゃくちゃかっこいい胴体が存在している。これに顔が付き、手足が生えたらどうなっちまうんだ……と思うが、まだまだやらなければいけないことは山積み。ここからも最高にズボラに、ラクをするために最大限の思考を回転させつつクスィーガンダムを完成に導いていく。またね。

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からぱた/nippper.com 編集長

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』http://wivern.exblog.jp の中の人。