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HGUCクスィーガンダム奮闘記/化け物クラスの黄色で戦端を開く!

 模型店のレジ裏にドバーッとHGUCクスィーガンダムが積まれているのを見て気絶。家に帰ったらでっかい箱がありましたとさ……。説明書は10回読んだ。なんてキレイな白磁の機体色。言うことなしのプラスチックのカラーで「組めば終わりじゃん」と思っていたけど、なんだか今の私は”ガンプラを俺のスタイルで作りたいパワー”がかなり溜まっている。

 ほぼ完璧な色分けがパーツ状態で用意されているガンプラにもシールは付いている。シールとはつまり「ここだけ塗れば完璧な色分けになるんだよ」というメーカーからの啓示である。そして揃えたスタメン5人。中には試してみたかった新色もあるぜ(なお塗っている間に気が変わって違う色を使うかもしれない)。レッツ・エンジョイ・モデリング……。

 初日はいちばん簡単そうなところから手を付ける。背中から突き出た羽根の先端、直線のクランクしたスジ彫りで黄色の塗り分けだ。ここなら小さく切ったマスキングテープをピンセットでちまちま貼っていけばまず間違いなく攻略できる。やれるところから着実に、成功体験を積み重ねて俺はハサウェイになる。

 マスキング成功の秘訣はひたすらマスキングテープを細切れにして(カレーを作る最初の工程で玉ねぎを刻んでおくように……)これを根気よく貼ることである。反復作業が嫌いな私でも、10分くらいなら耐えられる。スジ彫りをよく見て、ピタッとクランクしたラインに沿わせてマスキングテープを貼るのだ。ブレイクダウンしろ。一気に全部を上手くやろうとするな。これで私はマスキングを攻略した。

 場所によって塗った黄色とプラスチックの黄色がちぐはぐになるのが嫌なので、黄色いパーツだけ集合しているところを切り離す。余計なゲート(パーツがくっついている枝の部分)を刈り込んでおくと楽だぜ……と言っていたアニキのことを思い出しながら、適宜いらないところを切り離しておく。下ごしらえができるのをオトナと言う。具体的な下ごしらえの方法は下の記事を読むべし。

 本日のメインゲストはNAZCAの新色、マンダリンイエローである。はじめまして。よろしくおねがいします。しかし私は意地が悪いので黒いスプーンにこれをエアブラシでガバーッと吹き付け、その発色性能をテストした。

 見てほしい。なんだこの隠蔽力。そして鮮やかな発色。黒いプラスチックの上にただ吹くだけでこんなにぱっきり発色するというのは驚きである。正直言って、蓋とほぼ同じ色にしか見えない。この塗料はとてもすごいのでみなさんもロボットモデルを作るときに携えておくといいです。ただの黄色じゃなく、アニメライクな、ちょっと赤みがかった黄色なのもオシャレでよろしい。対戦ありがとうございました。

 切り出した黄色いパーツたちと、さっきマスキングした翼の先端をこの「マンダリンイエロー」でダーッと塗って、しばしの休憩。しかしこの発色、わりとチート級だ。ちょっと濃い目に吹けば2度塗りで完璧に発色してくれる。もうこのへんで「簡単なところから手を付けた」みたいな前提を忘れ、巨大ダムを建設する難事業をやっつけたくらいの充足感にまみれている。ガンプラに対するモチベーションにおけるニューディール政策だ。

 マスキングテープを剥がして快哉。これは小さな一歩だが、クスィーガンダム建造にとっては大きな大きな一歩である。さて、ここから少しずつ「ちょっと難しそうだな」という塗り分けにトライしていく。どうしてもクスィーガンダムがバチコン完成するところを見たいので、しばしお付き合いいただきたい。とりあえずみなさん、NAZCAのマンダリンイエローはヤバいです。とてもすごい。続く次回。

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からぱた/nippper.com 編集長

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』https://wivern.exblog.jp の中の人。

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