

突然ですが、デスティニーガンダムSpecII & ゼウスシルエットのZAランナーがヤバい。宇治抹茶ケーキみたいな色です。メカのフレームに宇治抹茶ケーキ色はだいぶビビるんですが、そもそもゼウスシルエットのフレームはこんな色だったか? 設定画と合わせ、手がかりになる『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』のゼウスシルエット登場シーンは冗談抜きで50回くらい見たんですが、「レールガンの砲身(だいぶ落ち着いた真鍮っぽい色)よりもほんの少し暗いゴールド」としか言いようがありません。
そんなフレームの色を設定画に忠実な色調のメタリック塗料で塗装したのがMETAL ROBOT魂 <SIDE MS>のゼウスシルエットだとすれば、画面から受ける印象としての「緑っちゃあ緑だし、金色っちゃあ金色だよな」という感覚をプラスチックの色で表現したのがこの宇治抹茶ケーキ色なんだよな。少なくともオレはそういうメーカーの決断を尊重しながら、ここをゴールドで塗りたい。つまり、宇治抹茶ケーキ色に見えるゴールドが必要なんだ。いや待てよ、「宇治抹茶ケーキ色に近いゴールド」ってなんだ。そんなのあるかよ。説明書では何色で塗ることにしているんだ? 完成見本は何色で塗ってるんだ? 教えてくれ……。

いやいやいやいや「ゼウスシルエット グリーン部」って。しかも「機体内部色 60%+ホワイト 25%+グレー 15%」という信じられないレシピが書いてあるし。それは少なくともゴールドじゃないし、ましてやグリーンですらない。それはほとんどカラシ色ですよシン・アスカさん! ……などとゴネてもしょうがない。プラモデルの開発って映画公開のずっと前からスタートしてるし、ゼウスシルエットの設定って公開後もずっと伏せられてたし、開発現場だって正式な色調を決めあぐねた結果こういう指示になったんじゃないかなと思うんです。
メタな前置きが長くなりましたが、本日みなさんにお伝えしたいのは私が塗料メーカーのカラーチャートやこれまでの経験値から3週間くらいかけて脳内調色をし、ようやく到達した「宇治抹茶ケーキ風ゴールド」のレシピです。ただ漫然と金のなかから好きなものを選んでくるんじゃなくて、「バンダイスピリッツが苦悩の末に導き出した宇治抹茶グリーンの色味にコミットしながらゴールドを作る」というのが私なりのアンサーです。
まずMr.カラーGXのメタルイエローグリーンとメタルイエローを用意してください。前者は黄色味が強く明度の高いメタリックグリーンです。青みが強く明度が落ちがちなメタリックグリーンを起点にするとまったくゴールできなくなるので気をつけましょう。また、メタルイエローは赤や青を感じさせる”金色”ではなく、その名のとおり「メタリックな黄色」です。百式とか勇者ロボをはじめ、アニメ劇中で黄色を基調に描かれる金色表現にピッタリです。

おもむろに両者を半々で割ります。たったこれだけのことでだいぶすんなりと宇治抹茶ケーキ色をしたメタリックカラーが爆誕しました。どれくらいの量が半々なのか見た目でわからない人は目盛りの付いたドロッパーボトルで調色しましょう。私は16個入1680円のボトルを買い、ここに塗料と溶剤を足しながらそのままエアブラシで吹ける濃度に調整し、自分用塗料にしています。2粒くらい撹拌用のステンレス球を入れておくと便利です。

2色を混ぜて最初に試し塗りをしたときは黄色みがほんの少し強く感じられたので、緑をブーストするためにメタルイエローグリーンを数滴足しました。塗料って調色を重ねると少しずつ増えていくものなので、ドロッパーボトルの容量が大きいほうが微調整のときにも余裕があっていいぞ。
そして下の写真はその塗料を用いてZAランナーのランナータグ(上のBANDAI SPIRITSって書いてある四角く出っ張った板)だけを塗ったもの。そこ以外はプラスチックの色です。自分で言うのもなんですが、マジでプラスチックそのままの色と同じ色調に仕上がりました。すげえ嬉しい。

宇治抹茶宇治抹茶言い過ぎましたが、ZAランナーにくっついている全てのパーツをこの塗料で塗ってパーツケースに入れて眺めたとき、改めてこれは何色か。当初は想像すらできなかった「緑っちゃあ緑だし金色っちゃあ金色だよな」と思える色が、そこにある。もしも最初から「◯◯ゴールド」と書いてある塗料で当たり障りのないものを探す……という選択をしていたら、きっとこの色には出会えなかった。

改めて言うまでもなく、「プラモデルは自由」なので自分の好きな色に塗ってもいいはずです。反面、デスティニーガンダムSpecII & ゼウスシルエットを見て「カッコいい~」と思った自分の気持ちにウソはつけないし、ガンプラはそこに一定の解答を示してくれる(少なくとも現在のガンプラは「塗らずに組む人」のことを第一に想定した)プロダクトでもあります。そもそもプラスチックに色が付いているガンプラを、我々はどうして塗るのか。どうせ塗るならそこには理由があってほしいじゃないか。ここから完成まで、オレは使うすべての塗料に「塗る理由」を見出し、選び取る旅を続けることにします。みなさんもぜひ、見届けてください。