飛行機プラモなんかに付属するスタンドは必要最低限のサイズで用意されたモノなので基本的に背が低い。スタンドを置いている床面まで視線を低くして眺めれば確かに浮いてはいるのだけれど、やっぱりどうにも床が近い。「飛んではいるが、高度が低い」といった印象だ。自分としてはもっと高く優雅に飛ぶ姿でディスプレイしたい。床の近さを感じないくらいの高さの、それでいて倒れにくいしっかりしたスタンドで飾りたいと思うのだ。
ピアノ線を使った支柱はそんな時に都合がよい方法だ。プラモデルのいいところに同じサイズの木製や金属製の模型に比べて圧倒的に軽いという特徴がある。1/144の戦闘機くらいのサイズならわずか1ミリ径程度のピアノ線でもそこそこの長さで支えることができる。
このトムキャットには最初から付属スタンド用の長穴が開いているので、これに合わせて先端をペンチで加工した。少し開き気味にテンションを掛かるようにしてキュッとハマるカタチにしてみた。ピアノ線はバネ弾性が強いのでこういう小技が使える。繰り返し付け外ししても緩みづらいし、先端でクルクル回ってしまわないのもいい。
床に接する台部分は安定していて重さがある素材ならなんでもいいのだけど、今回は飲料缶を使う例を紹介したい。先ほどのピアノ線の台にくる側をこんな風に缶より一回り小さな円状に曲げておく。ピアノ線は工作材としてはとても硬く1ミリ径くらいになると人力で丸棒に巻きつけてクセを付けるような作業がとても出来ないので、ペンチを使って目分量で曲げていく。
一回り小さく輪を作ったらフチに掛ける箇所を曲げて写真のように缶に取り付けると簡易な作りながらスタンドが出来上がる。一回り小さく曲げた輪が缶のフチに巻きつくようにテンションを掛けて固定できる。付け外しも簡単なので一発で上手くいかなくても具合のいい形に修正していける。
台に使う缶は「トムキャット」だからネコにちなんだモノがいいなという程度の気分で水曜日のネコ(クラフトビール)をチョイスした。ネコ缶だとどうしてもスタンドとしての「高さ」が稼げないのでビールに行き着いた。ちょっと気の利いたディスプレイになったと思う。未開封なら重さもあって安定する。眺めながら呑むのも気分がいい(開けちゃうのかよ!)。
プラモデルは「どう作るか?」も面白いけれど「どう飾るか?」も面白い。ネコもそう言ってたニャー。