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【レビュー】量産型は2機並べるとより輝く。MODEROID「パイソン」を組んで、あの頃の第一小隊を再現する。

 「同じキットを2つ同時に手に入れたくなる瞬間」がある。私にとってその衝動を激しく突き動かしたのが、グッドスマイルカンパニーのMODEROID「MPL-97Sパイソン」です。

 1989年から1990年頃といえば、リアルロボット路線を中心とした「プラモデル化されるロボットアニメ」が一時的に減少した時期だった記憶があります。そんな中、初期OVAや劇場版を経てTVアニメ化され、登場するレイバーを精力的にキット化してモデラーを熱狂させてくれた作品が『機動警察パトレイバー』でした。

 主役機であるAV-98イングラムの洗練されたカッコよさにノックアウトされたのは言うまでもありませんが、TVアニメ第7話「栄光の97式改」でフォーカスされたのが、主人公たちが所属する第二小隊の「隣」、特車二課第一小隊が駆る「97式改 パイソン」でした。設定上は最新鋭のイングラムに比べ、やや旧式で対レイバー戦でも苦戦するポジションでしたが、この機体がとにかく格好良かったのです!

 テレビアニメ放送当時、イングラムやヘルダイバーはプラモデル化されたものの、残念ながらパイソンはキット化の機会に恵まれませんでした。バンダイから1/60スケールの固定式ソフビが発売されたり、トイシリーズ「クロスギア」でイングラムと並び商品展開されたりと、当時から人気の高さは伺えましたが、「組み立てるプラモデル」としてのパイソンは、長年ファンの間で“お預け”状態だったのです。そんな長年の渇望を、令和の最新技術で見事に叶えてくれたのがMODEROIDシリーズです。


 このパイソンの何がツボかと言うと、圧倒的な「量産型ロボット感(ガンダムでいうジム感)」に尽きます。主役機イングラムのようなスマートなヒロイックさとは真逆の、無骨で角張ったフォルム。機動隊員のヘルメットを思わせるフェイスシールド付きの頭部。そして、実際の防護盾と重なる大型シールド。まさに、一目で機動隊員のシルエットを彷彿とさせるデザインです。

 さらに画面越しではなく、模型という立体物を手にするからこそ初めて深く理解できる構造の面白さがあります。特に首後ろに設置された赤色灯部分のメカニカルな配置や、後頭部ディティールのカッコ良さ! 手の中でクルクルと回しながら全方位で眺められるプラモデルだからこそ、「ここ、こんなにイカす造形になっていたのか!」という新たな発見と感動が押し寄せてきます。

 何気に嬉しいのがこのクリアパーツの親切設計です。メインカメラと赤色灯は着色済みのものと無色クリアのパーツと2種類が用意されており、塗装をせずともパチ組みだけでイメージ通りのパイソンが完成します。こだわりたい塗装派は無色パーツを使って自分好みのキャンディ塗装などを突き詰めることもでき、どんなスタイルのモデラーにも嬉しい気配りが行き届いています。極めつけは、この「昭和の警察機動隊車両」を思わせる地味ながらも味わい深いカラーリング!  そのすべてが、昭和オジサンモデラーの心を激しくくすぐります。

 そして何より、劇中の第一小隊でも第二小隊のイングラムと同様に、パイソンは「2機同時に運用されている」というのが最大のポイントです。やはり量産型感のあるロボットは、複数並べてこそその魅力が何倍にも膨れ上がるのがモデラーの常ではないでしょうか。

 付属の水転写デカールには、五味丘巡査部長が乗る1号機の「211」、結城巡査が乗る2号機の「212」、そしてそれぞれのナンバープレートまでバッチリ用意されているので、まさに2機揃える楽しさと必然性があるのです!


 MODEROIDのキットは、現代の技術でサクサクと形になるため、2機同時製作も全く苦になりません。1号機・2号機としてあなたの手でじっくりと形にしてみてください!

SSC

1979年生まれ。サラリーマンの傍ら、模型誌でキャラクターモデルの作例も製作している。模型サークル「PLASTICBOMB」のメンバー

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