プラモを塗っていて「ここが木ですよ〜」っていう表現をしたくなることありますよね。あります。船、飛行機、戦車etc.……けっこうそういうシチュエーションに遭遇するのですが、そういうときにパパパーッと木にする方法を教えます。「木目塗装」というのはけっこう奥深いものですが、今日やるのは超簡単ズボラテクニックですので、まずはこれを真似して身の回りのものを木にしてください。
まずは木に魅せるためにベースとなる木っぽい色を塗ります。木にもいろんな種類があって、濃い茶色のものから薄いベージュのようなものまでさまざま。今日はニスで仕上げられたウォルナットみたいな仕上がりを目指します。
ウェザリングカラーのステインブラウンはシャバシャバの茶色い油絵の具系塗料。中の金属球がカチカチ言うまでよーく振ってから、適量を小皿に取り出します。この塗料は乾燥がとっても遅いので、自分の好きな表情になるまで何度でも描き続けることができます!
木目の方向を決めたら、線をするするーっと描きます。ちょっとヨレてもぜんぜん平気。なるべく平行な線をいっぱい引いていきます。濃淡もムラも気にしなくて大丈夫ですから、パーツの端から端まで、途中で止めないようにするのがコツです(止めると木目じゃなくて筆の跡にしか見えないのだ)。
面全体が塗料で覆われるまでスーッ、スーッと線を引きまくった状態がこちら。この時点で勝手に発生した濃淡や線のヨレによって木目のように見えます。わざと筆を蛇行させれば節のようなものを演出することもできますし、筆の大きさを変えるとスケール(木目の粗さ)も変化します。このへんはいろいろと試してください。
ウェザリングカラーは乾燥がきわめて遅いので、ちょっとやそっとの時間では指紋がべっとり付いてしまいます。この状態だと次の作業に行けないので、上からクリアーコートすることで作業時間を短縮できます(たとえば側面にも木目を入れようとすると、上の面は触れても大丈夫なようにしておきたいですよね)。
このとき、ツヤ消しクリアーを選ぶのか、ツヤありを選ぶのか、はたまたクリアーイエローやクリアーオレンジを選ぶのかでも表情が変わります。今回はクリアーオレンジの塗料をエアブラシで吹いていますが、当然これは缶スプレーでもOKですよ!
はい、これでニス仕上げをした木材のような風合いが出ました。筆のコントロールをいっさい気にしなくてもこの見た目になります(逆に言うと、絵がうまい人はもっともっと木目”らしく”描くことができるはずです)。
本当は鉄でできているものを寄木細工のように見せることもできますし、昔の車のボディサイドや木造の飛行機、戦車に搭載された工具などあらゆるところに使える木目塗装。まずはこの超お手軽な方法でマスターしちゃいましょう。
みなさんも、ぜひ!
模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』https://wivern.exblog.jp の中の人。