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ハセガワの大先輩トムキャットが教えてくれた「今の俺に合っているプラモデル」という価値/ハセガワ 1/72 アメリカ海軍 F-14A トムキャット ハイビジ

 常に最新のプラモデルが“今の自分に合っているとは限らない”。そんなことをハセガワの大先輩トムキャットのプラモデルが改めて僕に教えてくれました。

 発売中の飛行機模型雑誌「スケールアヴィエーション 2025年5月号」のジョリー ロジャース特集(スカル&クロスボーンという髑髏マークでも同じみのアメリカ海軍 第84戦闘飛行隊)で、僕は3日で作るハセガワトムキャットという記事を担当しました。こちら、1977年に発売されたプラモでいまだに現役(品番E2、E3)! その後1988年によりパーツも細分化され、解像度も増したリニューアル版が発売され、その完成度の高さから今でも多くのモデラーを魅了しています。

 ハセガワの古いトムキャットは、複雑なパーツ構成は無しに、圧倒的スピード感で組み上がります。しかも組み上がった後の佇まいもよく、どこからどう見てもトムキャット。トムキャットの形が欲しい人には安くて早く作れる模型としては最高峰に位置していると言っても過言ではありません。そして最初からミサイルなどの武装類もセットされていて、トムキャットを象徴するフェニックスミサイルも4発付属します。重武装した姿もこのキットだけで味わえてしまうのです。

 コクピットもシンプルだからすぐに内側が組み上がるので、このように機首や胴体を一気に組み立てていけます。驚きなのが1977年のプラモとは思えない合わせの良さ。パーツ同士がよく合うの、現代の高性能流し込み接着剤(タミヤの速乾タイプやGSIクレオスのセメントSP)を使って組んでいくと、めちゃくちゃ綺麗に仕上がります。目立つ合わせ目も機首や胴体側面くらい。その合わせ目消しでもし凸モールドが消えても、全体の凸モールドの数パーセント。森としてトムキャットを見る気持ちで、接していくと良いです。

 凸モールドの話が出ましたが、このキットはパネルラインなどが凹んでいるのではなく、凸に浮き出た彫刻で表現されています。この凸モールドが筆塗りととても相性が良いのです。どんだけ塗り込んでもディテールが埋まらないし、凸モールドに筆が引っかかっることにより意図しない陰影感なんかも生まれて、塗れば塗るほど迫力が増してきます。僕はこのようにガイアノーツのメカサフ ヘヴィを下地に吹いてから、筆塗りをスタートしています。

 ハイビジらしく光沢感を出して塗っていきました。この筆塗りとも相性の良いプラモというのが、僕の今のプラモライフと合致していて最高です。自分が今楽しんでいる方法や、好きなことに合いそうなキットを手に取ってみるというのも、プラモ選びの楽しさのひとつなのです。

 主なデカールを貼ればさらにトムキャット感が増してきます。塗れば塗るほどかっこよくなるから、デカールを貼った上からもさらに筆塗りでタッチを加えます。どこまで塗っても埋まらならいディテール、塗り込むことで際立ってくる凸モールドの魅力を、このトムキャットは気軽に味わわせてくれるのです。

 とにかく楽しい時間の連続。3日で僕の机上にやってきてくれたトムキャットは、荒々しさもあってとってもお気に入り。トムキャットは世界中の飛行機モデラーから愛されるジェット戦闘機の花形ですから、常に新商品が現れプラモとしてのアップデートが繰り返されています。

 その中に、今もこうしてレジェンドプラモが普通に販売され、最前線で最新のトムキャットプラモたちと肩を並べています。組んでみると、しっかりとトムキャットに見える外観、組みやすさを重視したパーツ分割などに当時のハセガワスタッフの熱意が感じられます。そしてその熱は、僕の今の模型ライフに見事に合致し、こうやって形にすることができたのです。

 古い、新しい、トレンドだけでなく、「自分がこう楽しみたいという思い」と「その思いに応えてくれるプラモデル」が必ずあると思います。自分が作りたい景色や姿が浮かぶプラモって最高だし、その理想はきっと自分の中にしかない……。大切なことを大先輩トムキャットに教わり、今日も自分が作りたいと思えるプラモを作るのでした。おしまい。

フミテシのプロフィール

フミテシ/nippper.com 副編集長

1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。

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