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虚構と現実をプラモで交ぜて、広がる世界、土浦、デスクの上。

▲2024年8月、茨城県土浦市の夏祭りで行われたイングラムのデッキアップ。まるで神輿だった。

 私の住んでいる土浦市は今、パトレイバーで町おこしをしています。土浦市とパトレイバーにどんな関係が!?というと、市曰く「敵役レイバー、グリフォンの開発を行ったのが『シャフト・エンタープライズ・ジャパン土浦研究所』なのです」とのこと。無茶です。しかし、それを情熱で押し通し、多様な企画をやり遂げる姿勢は個人的に好印象。2024年の夏祭りには出渕裕氏、千葉繁氏らを招きながら実物大イングラムのデッキアップを実施、市役所周辺のマンホールにパトレイバーのデザインマンホールを設置、グリフォンのパッケージ焼酎を販売してみたり……と、熱心な活動で市への来訪者も増えて好調のよう。

 しかし、私が普段生活している街に、それもよく使う国道125号線上に実物大イングラムが現れたときは、なんとも言えない高揚感がありましたね。見慣れた風景が架空の街になったようでした。実体を伴った虚構(模型)に出逢うと、世界が虚構の分だけ広がった気がします。しかし、この感覚は初めてではありません。小学生の頃から、この土浦で、机の上で、同じ高揚感を得た瞬間が何度もありました。プラモデルが出来上がるそのときです。そして今夜もまた……作ります。夏祭りを思い出したら、土浦ナンバーのレイバーに出逢いたくなりました。材料はPLAMAXの「イングラム&クラブマン ハイレッグ(エフェクトカラーVer.)」に決めました。

 ランナー(パーツがついている枠)2枚だけの潔いキットです。うち1枚がイングラム。わずか19パーツの構成で、ヒロイックな立ち膝ポーズのミニプラモが出来上がります。「ニッパーで切って、接着剤で貼る。」というプラモデルの2大アクションがサクッと気持ちよく味わえますね。かなり細かいパーツもありますが、それゆえにアンテナが集まる頭部まわりの精密さは痺れるくらいカッコいいです。また、台座がミニジオラマのようになっていて、ガードレールや側溝など、いかにも公道!という感じで造形されているのも見どころです。

▲こちらがクラブマン ハイレッグのランナー。

 採れたてのタラバガニのように活きがいい、ランナーからはみ出るほど大胆なパーツ分割がGOOD。脚パーツが2本にまたがって成形されているので、4脚のうちどの2本なのか……が組み立てていくと判明する瞬間がパズル的で面白いです。関節カバーのハリやたるみの造形も、固定ポーズならではのリアルな仕上がりです。

 設定とは違う見たことのない配色で塗るのが私は好きです。クラブマンは関節の成形色・グレーを残して、オレンジの水性塗料(ファレホ)で車体を筆塗りしていきます。これで時短に!と思ったのですが、逆にオレンジのスプレーを全体に吹いてから関節だけ筆で塗った方が速かったな……と少しだけ後悔しました。しかし筆塗りも楽しいので全然オーケー。

 虚構(パトレイバー)と現実(土浦市)を織り交ぜたプラモデルができました。土浦市には日立建機の巨大工場があるので、クラブマン・ハイレッグは日立建機製です。イングラムの盾と脚部には「茨城県警察」のラベルを、腰には土浦ナンバーのラベルをテプラで作って貼りました(小さすぎて全然目視できませんが)。うう……楽しい。変わりゆく地元、変わっていくプラモデルのトレンド、私の生活もプラモへの接し方も子供の頃からだいぶ変わりましたが、この高揚感だけは変わらないようです。

ハイパーアジアのプロフィール

ハイパーアジア

1988年生まれ。茨城県在住の会社員。典型的な出戻りモデラー。おたくなパロディと麻雀と70’sソウルが大好き。

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