きっかけは「TAMIYA PLAMODEL FACTORY TOKYO」だった。店内のいたるところに展示されている「タミヤ的完成見本」を見つめていたら何かが刺さったのだ。WEBなどで幾度も眺めた無改造かつ無個性、手を加える余地を感じさせる精巧でありながらノッペリとした仕上がり。その事務的な佇まいに妙に惹かれてしまった。自分の作品としてではなく、工業製品を仕上げるようにプラモと向き合う。ジャンルを問わず、説明書どおり、なるべくタミヤの塗料を用いて、タミヤの説明書どおりに組んで塗る。それが自分の性に合っていたみたいだし、そうするとどんな結末が待っているのかを確かめたい気分なのだ。

お手軽に「タミヤの説明書どおり組んで塗る」を満足するには1/72スケールのヒコーキ模型が調子良いことに最近気付いた。大戦時のプロペラ機ならばサイズ的に塗装の工程は大変コンパクトだ。ヒコーキ模型を始める前はその緻密さゆえに敬遠していたところもあったのだが、ウォーバードコレクションはサックリ組み上がるので何も気負うことはなかったのだった。

今回の飛燕は最近のキットなので組むにも塗るにも考えが込められていて、触っていて気分が良いプラモだ。ラッカー塗装のスプレーなりエアブラシで全塗装したうえで、水性のアクリル塗料で部分塗りを加えていく。ハミ出しもアクリル溶剤やマジックリンで拭き取れるのでリカバーも容易だ。あと、社外のアイテムになるが窓枠塗装には『カット済みマスキングシート』が売っているので手間が格段に減ってナイスだ。

今回、タミヤから『1/72 飛燕一型 丁 迷彩デカール』というを見つけて「そう!コレ!」と昂まった。そもそもフリーハンドで描かれる迷彩柄だけども、コレなら誰がやっても何度やっても同じ迷彩に仕上がる。プラモデルの工業製品性が極まるアイテムと言っていい。ちなみにこの迷彩デカール付きのキットの存在は知ってはいたのだが、それはシルバーメッキ仕様の特別企画商品となる。メッキを貼って組んでいくのはなかなかの手間なので、この迷彩デカールが別売りされていてかなり嬉しかったのだ。

いつも通りグッスマの『デカール軟着剤』を塗ってから水転写デカールを置く。水分の拭き取りはそこそこにして『デカール剛力軟化剤』を水転写デカールに塗布する。ビシャビシャなのは気にせず、一切触らずにで完全に放置。半日もすればスジボリ彫刻がビシーッ!と際立つほど密着して「飛燕が迷彩柄に塗られている……」と心底思える仕上がりとなる。タミヤを含めて水転写デカール貼りに関するマテリアルが多種多様にある現在なのだが、自分はこのグッスマの軟着剤、剛力軟化剤に絶大な信頼を寄せている。ここはツール&マテリアルとの相性との話になってくるのだが、デカール貼りひとつにしてもどれを選ぶか、どれを試すか迷うほどあるのは、模型の世界が盛り上がっている証だと思う。

最後にプレミアムトップコート[半光沢]を吹き、しっかり乾いたらスミ入れ塗料[ダークブラウン]でディテールを加えてゴール。トップコートは水転写デカールの保護としても、筆塗りによる部分塗りの光沢ムラを無くすのにも必須の工程だ。スミ入れ塗料はタミヤの完成見本のようにあくまでもアッサリ目で各部に施していく。今回は迷彩デカールの締める面積が大きいこともあり「まるでタミヤの完成見本みたい!」という満足がスゴく強い。やったぜ。
ウォーバードコレクションの飛燕は「タミヤの説明書どおり組んで塗る」を実行しやすい軽めなキットなので、おかわりして濃緑色とか他の仕様も「タミヤ的完成見本」仕上げを楽しみたいな。