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未体験のスピードで組み上がる「タミヤの魔術」/ポルシェ911 GT3 RS、最速攻略の要注意ポイント!

 タミヤのプラモデルはプラスチックの色そのものがユーザーにとっての大きな指針す。とくにカーモデルやバイクモデルは「白/黒(+銀)」のプラスチックが使われることが多く、白は「ユーザーの好みの色に仕上げてほしいところ」、黒はシャーシやインテリア、銀はエンジンや足回りのパーツなので「塗らなくてもまあまあイメージどおりに仕上がるところ」になっています。

 タミヤの最新カーモデル、ポルシェ911 GT3 RSの場合、ボディは好きな色に塗っていいんだぜ……という話はすでにしましたので、まず買ってきたら説明書を読み込んで「Body color」と指示されているパーツをまずは好きな色で先に塗ってしまいます。あとはプラスチックの色に頼ってOK!と言いたいところなのですが、このキットに限っては白いパーツを黒く塗る指示や、アクセントになる色を選んで塗る指示があったりします。
 パーツと説明書とにらめっこしながら「ここ数年のタミヤ製カーモデルにしちゃ塗り分け必須のパーツが多いな……正直めんどくさいな……」と思っていたのですが、いざ手を動かしてみたらなんと2日で「できた!」と思える状態に至りました。このプラモ、とりあえず目に付く色をパーツごとにざっくり塗っておけばカッコよく仕上がるように考えられているのです。

 前後のタイヤハウスはおそらく金型の面積の都合で「白いプラスチックを黒く塗りましょう」という指示になっています。最初から黒かったら良いのにな〜と思うかも知れませんが、窓枠やテールランプなどでも黒く塗ったほうが良い場所がたくさんあるのでセミグロスブラックは必須アイテム。
 ほかにシルバー系の色だけでもフラットアルミ、ダークアイアン、メタリックグレイ、アルミシルバー、クロームシルバーとだいぶいろいろ指定がありますが、これは各所の質感を盛り上げるための違いです。とりあえず一本用意するならアクリル塗料のXF-16 フラットアルミがオススメです。筆で塗れるし、しっとりとした銀はムラが気になりづらいので……。

 セミグロスブラックで塗るよう指示された黒いパーツは「もともとセミグロスブラックじゃん!」と判断してプラスチックの色をそのまま活かします。ガンガン組み立ててその精度と彫刻にビビり倒しましょう。白いパーツは仕切りの付いたハコに切り出し、シルバーに塗るものとそれ以外の色に塗りたいものに分けておくとめちゃくちゃ便利です。このキットはブレーキキャリパーがブレーキディスクと別パーツになっているので、リアコンビネーションランプと窓以外はほぼマスキングによる塗り分けがないのが嬉しいポイントです。

 説明書を見ながらざっくりと塗り分け、とにかく組んでいきましょう。ハッキリ言ってしまうとブレーキディスクは影になってメタリック系の二色の塗り分けはほとんど見えなくなるし、インテリアもよく覗き込まなければどこまで塗り分けたかはわかりません。こだわりたい人を止めるつもりはありませんが、「一気に20本も塗料を買うのはちょっと厳しいな……」という人は先述したセミグロスブラックとアルミシルバー、そしてクリヤーレッド(ちなみに私はムラになりにくく発色がめちゃくちゃ良いGX クリアルージュを多用しています)があればしっかり911 GT3 RSに見える完成品が手に入るから安心して!

 このキット最大の難所はリアコンビネーションランプと吊り下げ式の可変リアウイングです。リアコンビネーションランプの塗り分けはカット済みマスキングシートだけでは完了しないので、2mm幅のマスキングテープで中央部分を覆う工程が挟まります。あまりにも細い区画をマスクしなければいけないので緊張しますが、ものすごくラフにカットしたマスキングテープでなんとなく中央部を覆うだけでも結果的に上下のパーツに挟まれてだいぶキレイに見える……という結果に安心しました。

 リアウイングはボディカラーで塗る固定式のメインウイングに持ち手が付けられないので、ランナーにくっついたまま塗装したほうがラクです(パーツをカットした跡はあとで塗ればヨシ!)。そしてめちゃくちゃ難しいのがメインウイングとアッパーウイングと2本のステーの固定です。乾燥に時間がかかる接着剤を使うとお互いのパーツの位置決めがなかなか終わらず汚い仕上がりになりそうだったので、潔く瞬間接着剤に頼りました。

 土曜の朝にボディ色→セミグロスブラック(+いくつかのシルバーのパーツ)→クリアーパーツの塗装という順番で進めれば、日曜には全部のパーツを一気に組み上げて上写真の状態まで持っていけます。細部の塗り分けにもっとこだわるとか、全身に散りばめられたCFRP柄のデカールを貼るとか、さらに手を入れられるところはまだまだあります。もちろん、「すべてを失敗せずに進められるかどうか不安だ」という場合はこれらをスキップしてもだいぶカッコいいポルシェが手に入ります。
 スキルは失敗を通じて育まれるものですが、確実にやれることを自分の手持ちのスキルセットでクリアするのもプラモデルの立派な楽しみかたです。タミヤの用意したプラスチックパーツの色に最大限サポートしてもらいながら、みなさんも「できた!」の喜びを味わいましょう。「こんどはもっとこだわりたい!」と思ったときは、おかわりのチャンスです。

からぱたのプロフィール

からぱた/nippper.com 編集長

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』https://wivern.exblog.jp の中の人。

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