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現代プラモデル技術の粋を味わえるアオシマの最新作/『-1.0』版ゴジラ、超速レビュー!

 プラモデルが進化した進歩したって言いますけどね、金型にプラスチック流し込んで作るという原理原則はプラモデルが誕生した瞬間から大した変化はありません。しかし2020年代に入って明らかに進化した領域がひとつだけあるとすれば、「ナマモノの表現力」です。これは断言しちゃいます。それを体感したければまずアオシマのゴジラ(2023版……つまり『ゴジラ-1.0』に登場したヤツ)を買ってきましょう。度肝を抜かれます。絶対にビビります。

 箱から飛び出てくるのは表皮のゴツゴツした風合いがコレでもかと彫刻された肉塊たち。このプラモ、いわゆる可動モデルではなくスタチュー(静的な彫像)なのですが、それがゆえに有機的な表面の凹凸に合わせて3次元的にうねった分割になっています。昔のプラモは手で作った原型を複製して金属を表面に流して……というアナログな作業の過程で収縮や歪みが発生し、こんなにシャープな造形をピタッと合うプラモデルにするのはとても難しいことでした。

 しかし現代では3D造形ソフトを使った原型のデータを高度なソフトウェアによってフルデジタルで金型製作用のデータに仕上げられるようになりました。もちろんこれはボタンひとつでできることではなく、金型の制約やプラモデルの都合に応じて原型の彫刻を極力スポイルしないよう、設計者の職人的なスキルが必要になります。幾何学的なパーツ合わせのためのブロックと生物的な目と上顎の造形を合体させて、こんなふうにひとつのパーツにまとめられるのも3Dデジタル原型〜設計技術の恩恵です。

 金型加工の技術や安定した成形技術も必要なのですが、カクカクした内部フレームのパーツに複雑な曲面の表皮のパーツを組み合わせていく……ということがあたりまえのように実現していることに驚かされます。ひとつひとつのパーツは大ぶりですが、彫刻が大味になっていると感じるところはなく、原型の丁寧な仕事とそれをプラモデルへと置き換えるスマートな仕事をたっぷりと味わえます。

 パッケージにスケール表記はないのですが、このゴジラはなんとなく1/700ってことにしたくなるサイズ感です。アオシマは艦船模型もたくさん製品化していますから、高雄や雪風と組み合わせた洋上での戦闘シーンを作りたくなります。それにしてもこの茶色っぽいプラスチックの色が「確かにゴジマイってコテコテの黒いゴジラじゃないんだよな〜」って気持ちになってめっちゃいい……。

 パーツの合わせ目に流し込むタイプの接着剤を使って貼っていくのですが、あまりに高精度なのでパーツをカチッと組み合わせた瞬間にどこが合わせ目立ったのかがわからなくなる……ということもしばしば。頭部、胴体、脚、腕……とブロックごとに組み上げるたびいっしょに作っていた友達も「すっげ〜!」と大興奮。

 組み上がるまで大興奮が続くプラモデルというメディアをつかった表現の最先端。アオシマの新機軸であるPLAfigシリーズの第一弾としてこれ以上ない完成度を、誰もが間違いなく味わえます。ぜひとも手に入れてパーツを眺め、切り出し、貼り合わせ、そこに現れるめちゃくちゃカッコいいゴジラの姿を堪能して下さい。きっと「え、いまのプラモデルってこんなにすげーの!?」って驚き、誰かに話したくなります!

からぱたのプロフィール

からぱた/nippper.com 編集長

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』https://wivern.exblog.jp の中の人。

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