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【レビュー】あの“怨霊・呉爾羅”がプラモとして受肉! 凶暴かつ親切な最新怪獣キットを楽しもう! / アオシマ PLAfig. ゴジラ(2001)

 アオシマ文化教材社のPLAfig.(プラフィギュア)シリーズから、「ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃」版のゴジラ、通称“GMKゴジラ”が先月発売されました。同シリーズもマイナスワンゴジラからはじまり、はや3作目。今回は、本キットを組みつつ、組み立てのちょっとしたコツや、その魅力を掘り下げていきます。

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 キットの原型を手がけたのは、商業原型やワンフェスの人気ディーラーとして知られる、RYO ねんど星人氏。怪獣や恐竜をはじめとする生物造形に定評のある原型師さんです。

 このGMKゴジラは、初代ゴジラ同様、人類に仇なす厄災として描かれたタイプのゴジラですが、第二次世界大戦の戦没者たちの怨霊が受肉した存在という斬新な設定が歴代のなかでも特異な点。そんなオカルティックなゴジラですが、キットの造形は、そのキャラクター性を司る身体的特徴をしっかり押さえつつ、立体物として見応えのあるものに仕上がっています。

 本キットには、劇中のラストで観客に強烈な印象を残した、海底で静かに鼓動を打つゴジラの心臓も付属。これは「ファンのみなさん、我々のゴジラキット熱は本気だよ? 心臓を捧げてるよ?」というアオシマさんからの狂気のメッセージとして受け取らざるを得ません!

 アオシマのゴジラキットといえば、近年の怪獣プラキットのスタンダードになりつつある、コアとなるパーツに表皮を貼り付けていく設計と、彫りの深い緻密なディテール。キットシリーズの第1作、マイナスワンゴジラを組んだときは組み上げるうちに合わせ目が迷子になってしまうほどの精度の高さに驚かされました。

 今回のコアパーツはこんな感じ。得体の知れなさが印象的だったGMKゴジラの中身がこれだと思うと不気味さが増しますね! このコアパーツ、有機的な造形をキットに落とし込めるのはもちろん、完成したキットがガッチガチの頑丈さになる利点も。見た目以上の重さも出るので、手にしたときの満足感をアップしてくれます!

 アオシマのPLAfig.シリーズは、立体パズルのように表皮をコアパーツに貼り付けていく体験が楽しいんですが、パーツ同士の隙間が限りなく目立たない点が魅力。パーティングラインもほとんど見えるところに出ないので、表面処理に時間を取られず、サクサク組めちゃいます!

 より隙間を目立たなくしたい方におすすめしたいのが、タミヤセメントの白蓋の樹脂入りタイプと流し込みタイプの併用。パーツの断面に白蓋をたっぷり塗ることで、わずかな隙間を接着剤内の樹脂が埋めてくれます。

 そうすると、パーツを合わせたときに接着剤がむにゅっとはみ出します。これを乾く前に流し込みタイプを使って、馴染ませるようにすると、この通り。パテ要らずで隙間が消えちゃいます!

 背びれの組み立ての親切設計は、今回も健在。背びれと差し込み先に対応する番号がモールドされていて、ミスなく組み立てできます。

 だからこんなふうに背びれパーツを全部切り出してしまっても、迷うことなく組み立て可能。パーティングラインをまとめて処理したいときにも、効率の面でありがたいですね。

 個人的にこだわりを感じたポイントが、完成すると見えなくなってしまう部分の造形も作り込まれている点。完成状態は口を閉じた状態なのに、口内上下のディテールはバッキバキです。

 足の裏も自重扁平していて、満員電車の窓に顔を押し付けられたサラリーマンのように、リアルに潰れています。下から見ると、ゴジラの下に透明な板があるような錯覚に……。足の裏はまだわかるんですが、心臓の裏まで作り込まれているのは、どうかしてます(笑) 逃げるバラゴンを背中から撃つゴジラぐらい容赦なしの作り込みですね!

 GMKゴジラといえば、怨霊っぽさや感情の無さを表現した白目。目の部分は、別パーツになっているので、組み上げの前に塗装できます。これは、細かい塗り分けが苦手な方や、エアブラシで全塗装したい人にもうれしい作り!

 組み上がったときの面構えは、劇中の凶悪さそのまま! 初代ゴジラの意匠をベースに、般若の面やヒョウアザラシの歯並びなどを参考にしたデザインののフェイスが解像度高く再現されています。

 凶暴さや、おどろおどろしさを表現した若干猫背のスタイルもバッチリ。クマのような力強い四肢や、スーツアクターの安全のために地面から少し浮かせた足の爪など、GMKゴジラの特徴がちゃんと押さえられています。

 余談ですが、ランナーを観察してみると、ランナーの一部の径が細くなっているのが気になりました。これは、圧力を高めて樹脂の流れるスピードを上げたり、樹脂が固まるタイミングと順番をコントロールするための構造と推測できます。複雑なディテールのパーツがぎっしり詰まったランナーに樹脂を確実に成形しつつ、生産の効率を上げる工夫でしょうか。同社の金型設計の巧みさが伺えますね。

 GMKゴジラは、塗装の自由度も高いモチーフ。劇中のシーンや、背びれの発光、金色に照らされたポスターの色味を再現したり、怨霊という設定から着想を経て妖怪っぽく塗っても楽しそうです。とりあえず目を白く塗るだけでも成立するので、塗装初心者にもうってつけ!いずれにしても、サクッと合わせ目処理不要で、組み立てできるので、すぐに塗装を楽しめるのもこのシリーズの魅力ですね。秋にはデストロイア、その先にはゲームソフト「モンスターハンター」より、看板モンスター・リオレウスの展開も控えている、アオシマのPLAfig.シリーズ。今後もますます目が離せません!

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Motty

1985年生まれの雑食モデラー。マシーネンを入り口にスケールモデルにどハマり。でかいヘリと輸送機が好き。


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