
タミヤがⅠ号戦車を発売してドイツ戦車ラインナップをⅠ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ… Ⅵ!と貫通させた今だからこそ見つめなおせたⅡ号戦車。そう、ずっと目に入ってなかったこの豆タンクたち。「ドイツといえばタイガー(Ⅵ号)戦車でしょ」とメガネの無さから興味の対象外だったのだが、Ⅰ号戦車が最新の模型として紐解いてくれた実物の魅力は山盛りだった。なので「じゃあ、この次のⅡ号ではどうなったワケ!?」という問いが生まれるのだが、タミヤは2008年発売『ドイツII号戦車A〜C型(フランス戦線)』でとっくにアンサー出していたのを知った今回。I号の最新キットを組んで塗ってを楽しんだ直後、続け様に手にしたこのⅡ号の決定版キットの話をしたい。
1971年に発売された伝説キットのリニューアル版ということでディテールが満載。Ⅰ号とⅡ号を続けて組んでまずグッと刺さるのがⅡ号に搭載された「2cm戦車砲」だ。Ⅰ号で二連装された機関銃と比べて「人間が持って使えるシロモノではありませんね」感が強い。これはⅠ号を組んだからこそ気付けたⅡ号のマッシブさであり、前述したようにどちらも似たような豆タンクにしか見えなかったのである。史実でも「操縦と生産の練習用に間に合わせた豆タンクが意外にずっと使える機械だった」という話も、Ⅱ号のパワーアップぶりを見ると頷ける。車格としてもひと回りデカくなっているので、速度と走破力がUPしたのだろうと想像に容易い。

「あー! イスの上に立って顔を出していたのね!」とプラモデルで紐解かれる戦車のヒミツ。車長のミニチュアは最新I号戦車の「3Dモデリングを使った精密な彫刻」に対して2008年当時の温もりを感じる造形だ。Ⅱ号の車長には若々しさはないのだが、若干下膨れした顔つきに中間管理職としての信頼漢を感じられて好感がもてる。

本キットの鬼門と感じてしまったのがこのエッチングパーツ。Ⅰ号戦車で最新かつ最高のおもてなしを受けたばかりだったので思わず立ち止まってしまった。説明書を見つめても「曲げてから瞬間接着剤で貼って」以外の指示やアドバイスはなく、しょうがないので一回寝た。塗装撹拌で使っているコラムマドラーがサイズ的にジャストではないかと思いつき、力と技を集結させた「力技」でなんとかした。マドラーの持ち手の円筒部と球体部で曲げ加工をして何とかしたのだが、このキットを組んできた先人たちはいったいどんな手法で乗り越えてきたのだろうか……。

I号と同じく今回のⅡ号でも筆塗りトライブをエンジョイ。「戦車プラモにはオキサイドレッドが効く!」との声をよく聞くのでそれに準じているのだが、オキサイドレッド(サビ止め下地色)をエアブラシで吹いてからその上から「ヘカサフ ヘヴィ」を吹き重ねる。その下地のグラデーションを消しきらないように、クレオスの水性ホビーカラーを薄めに筆塗りしていく。水転写デカールを貼り、タミヤのエナメル塗料のダークグレイでチッピングを施し、水性プレミアムトップコート[半光沢]を吹き付けてツヤを整えつつ保護をしたら、タミヤの墨入れ塗料のダークブラウンでウォッシングしてゴール。 今回のⅡ号戦車でも「うん。俺天才!」とライジングできた。

そう、『SIM’S TECHNIQUE』ことプロモデラー清水圭 氏の水性塗料 筆塗りテクニックを延々と楽しみ続けた2024年だった。ヒコーキ模型に戦車プラモ、ガンプラなどキャラものなどジャンル問わず前述の塗装工程を進めていくと「うわ! なんかリアルに塗れた!」と爆上がりできる。個人的に工程が最小化された塗装メソッドだと感じていて、ローカロリーで大きな成果を得られるのが嬉しい。ジャンルごとに手法が細分化もされないし(基本、どれも同じ塗り方)、迷彩塗装の塗り分けも容易だと思うし、さらに塗料もぜんぜん減っていかないので嬉しさ山盛りなのである。清水圭 氏の筆塗りテクニックマスターファイルを手にして、皆さんもゴキゲンになったほうがいい。

ちなみに今回紹介したⅠ号とⅡ号、水性ホビーカラーの1色目のメインカラー(暗め)は『ジャーマングレー/グラウ(退色時)』で、2色目のタッチ(明るめ)を『明灰白色(1)』をチョイス。小柄な豆タンクは塗装面も小さくなるので気軽に塗れるのも良かった。この流れで次はⅢ号戦車で筆塗りトライブだ!(戦車がどんどんデカくなっていくので塗るのも大変になっていくやつだな…)