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プラモデル塗装の楽しみ方のすべてが詰まった1冊。「清水圭:水性塗料 筆塗りテクニック マスターファイル SIM’S TECHNIQUE FILE」ブックレビュー

 テーマは筆塗りだけど、「プラモデルを塗装する楽しさ」ってのが詰まりまくっている本がホビージャパンより発売されました。それが「清水圭:水性塗料 筆塗りテクニック マスターファイル SIM’S TECHINIQUE FILE」(以下STF)です。僕自身、読後にさらに塗り方が変わりました。その原因が本書に収録されている「横山宏×清水圭」の筆塗り対談です。8ページにわたるこの対談を読むだけでも本書を買う価値があります。

 上の写真にある「7割がた塗装が終わったらデカールを貼って……」からの対談はヤバさ爆発。いかに自分が塗装工程をお作法のように順序立てて行なっていたのかを痛感させられました(順序を立てて塗って行くのは決して悪いことではないです)。清水さんの塗り方だけでなく、清水さんとの対談で登場するセイラマスオさんや横山宏さんと言った模型界の筆塗りスターから飛び出す言葉もまた、How to写真というビジュアル面を凌駕すると言っても過言ではない刺激を僕達に与えてくれます。

 僕はHow to本が大好き。その中に記載されていたことを実際に真似てみて、それらしくできた時ってレベルアップした感じがして嬉しいのです。本書で掲載されている「水性塗料の清水式筆塗り」も、ホビージャパンの連載・筆塗りトライブ(フミテシが執筆・構成している月刊ホビージャパンの連載)で見せてもらってからずっと真似しています。真似することで自分の中の塗りみたいなのが見えてきたりもする……本を読んで手を動かすと必ず何か扉が開けるのです。

 だから今回はこの「7割塗ったらデカール」を貼るってのをチャレンジしてみました。これまでは基本塗装を全て終えてからデカールを貼っていました。
 塗装中にデカールを貼ることで全体の色味のバランスを見たり、デカールをより塗装と馴染ませることができると書いてあります。なんとなく理屈はわかりました。

 絶賛塗装中の「タミヤ 1/72 P-47D サンダーボルト」。ちょうど7割くらいの塗り込みにきたので、デカールを貼ってみます! STFはキャラクターモデルメインの本ですが、この塗り方でスケールモデルもバンバン塗れますよ! このサンダーボルトも本書の塗り方で塗っています。

 なんかもう完成で良くない? ってちょっと思えるのがめちゃくちゃに良いです。7割くらい塗れてくると僕はいつも「もう少し明るくしようかな……それともここでやめておくか……」という感じになります。マラソン選手が30Km付近で勝負をかけるかどうかみたいな精神状態です。

 しかし、デカールを貼ってみたら「緑の彩度をもう少し落としてみるか」「迷彩のライン、ちょっと直そう……」など次の1手がポンポンと見えてきました。これはめちゃくちゃすごいことです。しかも塗装の途中段階でふわっとしていた模型にデカールが貼られることで、一気に模型が締まりカッコよく見えます。カッコよく見えれば、もう怖いもんなしですよね。アチアチのテンションのまま完成まで走り切れるのです。

 実はサンダーボルトの前に、より作り慣れているタミヤ 1/72零戦でもチャレンジしていました。デカールを貼ることで見えやすくなる「自分の中のゴール」と「ほぼ完成という状態」で塗っていける楽しさによって、どんどん筆が進み時間を忘れさせてくれます。実はキャノピーもインタビューに掲載されていることをちょろっとやっているのですが、それは実際に本を読んで確かめてくださいね。

 僕は改造したり、いちから何かを作り出すことはできません。しかし、プラモデルを組んで自分の色で塗って楽しむことはできます(設定通りにロボットを塗っても、自分が塗ったら自分の色ですよね)。そして清水圭さんの水性塗料筆塗り「清水式筆塗り」と出会って、さらにプラモデルが楽しくなっています。ここにある模型は全て本書内で紹介されている塗り方で塗ってます。めちゃくちゃ楽しいですよ。

 国内主要メーカーのキャラクタープラモデルを水性塗料で清水圭さんが塗り倒している本書。それだけでも超楽しいのですが、清水式筆塗りのルーツを紐解く横山宏さんとの対談は、僕が塗装に迷ったら(筆塗りだけじゃなく)必ず立ち返る場所になることでしょう。このページは何万回も読めます。

 だから読もうSTF!! 読んで、プラモを買ってそのまま塗装まで駆け抜けようじゃないですか!! 

フミテシのプロフィール

フミテシ/nippper.com 副編集長

1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。

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