
タミヤの戦車模型が作りたくなったら、僕は必ずと言っていいほどタミヤの公式サイトを見に行きます。「1/35 タミヤミリタリーミニチュアシリーズ」は50年以上の歴史を誇る巨大な世界。そのため、サイトに掲載されている完成見本写真にも、長い年月の積み重ねがそのまま現れています。古いキットの写真は、その当時のマテリアルや塗装技術で製作されたものが多く、今の目で見ると「キットそのものの姿」が少し見えにくいこともあります。だからこそ、試しに買って作ってみると驚くのです。
「あれ、このキット……めちゃくちゃかっこいいぞ!」と。今回製作したのは、そんな再発見をくれたキット、「1/35 ドイツIV号突撃砲」です。

1976年6月発売。僕よりも大先輩のプラモデルが、こんなにも美しいなんて!僕にとって戦車模型との出会いは「突撃砲」でした。初めて作ったタミヤの戦車模型も、ドイツIII号突撃砲G型(初期型)(1995年11月発売)。そのため、突撃砲特有の低く構えたシルエットを見ると、今でも胸が踊ります。そして今回作ったこのキット、1/35 ドイツIV号突撃砲は、現在でも購入できるタミヤミリタリーミニチュアシリーズの中では、まさに古参とも言える存在です。
50年近く前に誕生したキットが、いまも普通に模型店に並んでいるという事実。だからこそワクワクもするし、「このキット大丈夫かな?」という不安も共存するのです。

もっとあっさりしたキットなのかと思いきや、脱着可能なシュルツェン(車両の両サイドに装着されたシールドのようなもの)、多数の車外装備品、ポリキャップ接続による転輪と、今と変わらないフォーマットでみっちりとパーツが詰め込まれています。

今のキットの車外装備品のようなキレはありませんが、それぞれ別パーツで成型されているので車体に取り付けた時の立体感は抜群です。こういうパーツを見ることによって、のちにタミヤが「ドイツIV号戦車 車外装備品セット」を出した理由を感じることができました。このセットに差し替えるだけでも、本キットはさらに魅力的になることでしょう。

シュルツェンも薄く成型されていて、完成後に光を当てると内側に入る桁などが透けます。車体に引っ掛けるための取っ手のようなパーツもひとつひとつ接着していくこだわりようです。

車体と戦闘室は1パーツ。リベットや滑り止めなどもメリハリディテールで好感が持てます。このシンプルな形状に多数のパーツを貼り付けていくのが本当に楽しいです。

本キットの特徴の一つである「ザウコプフ」(豚の頭)と呼ばれる防楯も、ランナーの中で存在感を発揮。袋に入るように成型後、手でぐいっと曲げらているので、「俺はここにいるぞ!」とばかりに主張しています。

そしてさらに高野豆腐のようなパーツも見どころ。これは増加装甲として装着された「セメントブロック」です。このセメントブロックと通常の装甲板のどちらかを選択式で取り付けます。

僕はセメントブロックで。とってもシャープに表現された金属の装甲板の中に突如現れる高野豆腐。この異質なバランスが模型のアクセントとなって、とてもかっこいいのです。

完成!! 履帯も黒なので、組み上げるだけで雰囲気抜群。履帯は接着剤で接続するのではなく、焼き留めという方法で接続します。

この戦車兵のフィギュアもすごくいい! 両手を力強く広げて、車体から体を出している勇ましい姿……数々の戦車模型ファンに愛されてきたアニキなのです。

シュルツェンを外すと、無骨なフレームがその姿を見せます。戦場ではフレーム状態だけの車両も存在したので、このように取り外すことでまた違った印象の車両を作り出せます。シュルツェンをスジ彫り部分で1枚1枚カットし、歯抜けにしてもOK。取り外しができるパーツだからこそ、工作もしやすいです。

大先輩のレジェンド「IV号突撃砲」と、その後に新規で発売されたIV号戦車のバリエーションキット。こうして並べてみても、先輩のかっこよさはまったく引けを取りません。ウェブサイトの完成見本写真だけではわからない、箱を開けて実際に作ったときに出会える“真実の姿”。それに出会えたときの感動も、プラモデルの楽しさなのかもしれません。スケールモデルの素組みって本当にかっこいいですね。今回の製作は、そんなことを改めて体感できた幸せな時間でした。