

戦車にはエンジンがついており、エンジンがついている以上必要になるのが、燃料を燃やして発生したガスを外に出すための設備です。エアコンのようなダクトから排気する戦車もありますが、ドイツ軍の戦車なんかはマフラーつきの排気管が取り付けられていることが多いです。で、このマフラーは文字通り「管」でして、要は内部が中空のパイプ。このパイプの取り回しというのが、戦車の場合は案外面倒だったりします。
エンジン配置や車体構造の問題から、戦車の排気管は普通の自動車のように車体の下から外に向けて伸ばすことが難しかったりします。エンジンを車体後部に積んでいる戦車の排気管は、大抵は車体の後ろの方や後方側面にレイアウトされるわけですが、なんせ戦車なのでそうなると今度は色々なものがマフラーに当たる。実戦を戦った戦車の写真を見ると、マフラーがベコベコになっているものが見つかります。そこまで分厚いわけでもない素材でできたパイプなんだから、そりゃ鉄砲の弾とかが当たればヘコむよなという話です。

というわけで、多くの戦車のマフラーには、直接触って「熱い!」という事故や破損を防ぐためのマフラーカバーが取り付けられました。Ⅰ号戦車もそのうちのひとつです。この排気管カバーは大抵ペラペラの鉄板を曲げたもので作られておりまして、プラスチックではこのペラペラさの表現が難しい。ということで、戦車模型ではエッチングパーツの出番ということになります。

タミヤの最新キットである「Ⅰ号戦車B型」にも、マフラーカバー用のエッチングパーツが付いています。当然平たくてうすい金属板なので、排気管の形に合わせて曲げる必要があります。が、エッチングパーツを綺麗に曲げるのは案外難しい。ということで、タミヤは今回のキットに「Ⅰ号戦車の排気管に合わせてカバーを曲げるための専用治具」を付属させています。至れり尽くせりだ……!


使い方は簡単。まずカマボコ型の治具にエッチングパーツを取り付けて曲げます。曲げた姿は電気シェーバーのようですね〜。

さらにその上からもうひとつの治具を被せてグッと押さえます。曲げ終わったら取り出せば、見事に均一な曲がり方になったエッチングパーツが爆誕。これはラクチン!

さらに治具の側面をグッと押しつける指示があり、これによってよりきれいな形に整います。



曲げたエッチングパーツを車体に取り付けるプロセスもトンチが効いています。単に車体に貼り付けて終わりではなく、マフラーカバーについている爪で車体裏側に取り付けた部品(番号で言うとC3)を挟み込むようにして固定する方式となっており、ズレたり取れたりせずにガチッと固定できます。エッチングパーツの接着って地味に面倒なので、これは嬉しい配慮ですね。

というわけで、タミヤのⅠ号戦車のマフラーカバーは誰でも確実に取り付けられるようになっていてすごいぞという話でした。ここに力が入っていると言うことは、「綺麗に丸められたペラペラのマフラーカバーは、戦車模型の面白ポイントのひとつなんですよ」というタミヤからのアピールのはず。熱いメッセージを受け取りつつ、エッチングパーツをガンガン曲げていきましょう!