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ジョン・ウィックの名前を背負い、したたかに蘇る「オリジナルの姿」/amt 70年式 シボレー・シェベルSS

 虚実のあわいを漂うスタイリッシュな仕掛けの数々で、僕たちをスカッと愉しませてくれた映画『ジョン・ウィック』4部作。
 ニューヨークの街をおもな舞台に、まるでPhotoshopレイヤーの表示/非表示を切り替えるようにあらわれる裏社会。そこを跋扈するキャラクターたちはいずれ劣らず個性的で、なんせ全員がスタイリッシュだった。

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 第1作目に、いかにもいわくありげに登場した自動車整備屋のオーレリオは、あとから登場する裏社会の住人たちのアクの強さに較べたらずっと地味で、その感覚もはるかに常識的だった。あまり活躍をしないままその存在は早々にフェードアウトしてしまったかにみえるけど、ジョン・ウィックが執拗にこだわり、全編にわたって派手にぶっとばし続けたマッスルカーの数々は、おそらく彼にとってもっとも古く大切な友人・オーレリオの仕事以外には考えられない。

 ジョン・ウィックはほんとうに車を派手にぶっ壊す。
 それでいて、あとはもうスクラップにする以外道はない状態になった車をだましだましオーレリオの許へ必ず持っていく。何年かかってもいい、こいつの修理を頼む。そういう男だ。オーレリオは毎度ため息をつくばかり。

 このたびジョン・ウィックの公式パッケージをまとって登場したamtの’70シボレー・シェベルSSの金型もまた、改修に改修をかさねていまも現役のキットだ。もう50過ぎにはなるだろうか。キアヌ・リーヴスより少しだけ歳下だ。
 ボディーシェルのパーツは過去にキット化された’70から’72にかけて、同じ金型がその都度細部を改修するかたちで使われてきた。その後、さまざまな企画にあわせて改修をくり返すうち、ときには妥協を受け容れて細部がちょっと不正確になってしまった時期もあった。金型の所有者が大きく何度か変わったのだから無理もない。

 amtの金型が、ラウンド2というすばらしくアメリカンカープラモに造詣の深い会社の傘下に落ち着いたあと、金型は’70シェベルに仕様を固定するていねいな手術を受けた。幸いなことにラウンド2には、アメリカンカープラモ界のオーレリオがいた。

 2012年に封切られた映画『ジャック・リーチャー』(邦題は『アウトロー』)のヒットを追うように、この’70シェベルのキットは2014年に同映画の公式アイテムとして市場に出た。当時50歳だったトム・クルーズが演じるジャック・リーチャーもまた相当なタフガイだったから、真っ赤なシェベルは顔のまんなかを大きくへこまされて大変な思いをした。

 次なるオーナーは不幸なるかな、ジョン・ウィックだ。無事で済むはずがない!
 それでもラウンド2のミスター・オーレリオは苦い顔をしつつ、最高のドレスアップをジョンの’70シェベルに施すのだ。新しく追加された美しいクロームのトルクスラスト・ホイールからは「ジョン、あいつはほんとうに車にうるさいからな……」というひとりごとが聞こえてきそうだ。

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bantowblogのプロフィール

bantowblog

1972年生まれ。元トライスタージャパン/オリオンモデルズ、旧ビーバーコーポレーション勤務を経て、今はアメリカンカープラモの深淵にどっぷり。毎週土曜22時から「バントウスペース」をホスト中。

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