

大戦中の大型航空機の中には、およそ10人前後の搭乗員が乗っています。操縦士と副操縦士、航法の担当者、爆撃機ならば爆撃手も乗っているし、防御用の機関銃が付いていればそれぞれに銃手が必要です。大体何もかも人力で作業しなくてはならない当時の大型機では、それらの搭乗員が狭い機内をドタバタと動き回りながら任務に当たりました。
ハセガワの「1/72 日本海軍搭乗員セット」は、そういった大型機搭乗員たちの姿を再現したプラモデルです。ポーズは6種、人数は合計16体という大所帯が、この一箱に詰め込まれています。一式陸攻や二式大艇など、同社製の日本軍大型機と組み合わせれば、中に乗員がみっちり詰まっている様子が再現できて、ダイアクロンみたいで楽しいね、というプラモデルですね。

原型は日本トップレベルのスカルプター、竹 一郎氏が担当。1/72なので親指の先っちょくらいの大きさなんですが、見ての通りフィギュアの表情まで見て取れるようなすんげ〜細かい彫刻が施されております。こんなのどうやって彫ったんだ。



特に航空帽の作り分けは細かく、耳当てをおろしている状態や片方だけ折り返して跳ね上げている状態、両方とも折り返している状態などを選んで取り付けられます。このサイズでもモサモサした毛皮の質感が伝わってくるのがすごい。

胴体パーツは立った状態と座った状態を用意。立ったポーズは、爆撃機の銃座についている搭乗員として使えそうです。なにやら全員胴体のお腹周りがデコボコしていますが、これは救命胴衣。このデコボコ部分にはカポックという樹木の実から取れる繊維が詰め込まれています。なんでもカポックの実は軽くて撥水性も浮力も強いため、海の中に落ちてもこれをつけていれば浮かんでこれるというワケ。今でも海自なんかでは救命胴衣のことを「カポック」と呼ぶこともあるそうですが、それはこの当時の救命胴衣に由来します。
基本的には海軍の大型機に乗せてくれよな!というキットなんですが、座ってるポーズのものなんかは適当に調整してやれば割とどの飛行機でも乗せられそう。なんせ彫刻はキレッキレで、現在手に入る1/72日本軍パイロットの人形としては間違いなく一級の製品なので、使い倒さないともったいない! 日本海軍機のお供として、超おすすめな逸品なのです。