

チェンソーマンの面白さを知人に熱弁されたら「プラモデルも面白いよ」と返すと思います。だってこんな面白い体験はプラモデルでしか味わえないから。
車のプラモデルはエンジンの大きさとか、フロントタイヤが左右連動して動く仕組みを組み立てを通じて理解することができます。内部構造を作り込んで最終的にボディパーツをはめて出来上がりということで、明日からその車についてちょっと知ってるオレになります。私はこれで年の離れたお客さんとの車談義を何度も何度も超えてきた。免許すら持っていないのに「ポルシェ911はエンジンが後ろにありますもんね。乗り心地はどうなんですか?」なんて話すことができる。

実物を知らなくても、見たことなくてもプラモデルを通じて内部構造を知ることができる。これはプラモデルのすごくユニークなところです。ただ、PLAMAXのチェンソーマン マキマは少し毛色が違う。彼女をプラモデルにする上で外見を再現することを重視して考えられたであろう、組み立て方法やどこをどういうパーツにするのかという工夫に面白さがあります。
軸となるパーツに顔がつき、下から首のパーツを差し込む。それによって生まれた穴に今度はどんなパーツが入るのだろうと説明書を眺める。髪の編み目にすっぽりとまぎれてしまうパーツ分割。プラモデルは自分でパーツを探してニッパーで切り取るものが大半なので、「今は関係のないパーツ」と何度もすれ違います。その度にこれは何に使うパーツだろうかと悩まずに「耳!」「手!」と身体の一部がプラモデルになっていることに不思議さを覚えます。どちらも良い形をしていますが、特に耳は左右揃って配置されているのでとても印象に残りました。

他にもシャツのシワの表現がすごいとか、ネクタイの裏側は大剣に設けられたループに小剣がしっかりとしまわれているのが丁寧だとか、いろいろな発見があります。
これは作った人だけが味わえる面白さです。私はランナーに収められた耳を何度も見ているうちに「綺麗な耳だな」と思うようになりました。切り取るのがもったいないような、いつまでも眺めていられるような素晴らしいパーツです。彼女のプラモデルを作ることで得られたのは、劇中でどんな活躍をしたかといった話ではなく、このプラモデルのどこがすごかったのかという驚きでした。