
「すまぬ仕事が入って横須賀行けぬ」
友人から連絡が入って、久しぶりの横須賀行きは……って、ええ? こちらは行く気マンマンだったので、一人で電車に乗り込みます。今回の目的は「海上自衛隊 横須賀地方隊 オータムフェスタ2026」。10月10日、横須賀の自衛隊基地が一般開放され、海上自衛隊や海上保安庁の艦船を見ることができるイベントです。

今回の目的地、横須賀地方総監部の入口はJR横須賀駅のすぐそば。いつもは「JR横須賀駅は観光するには街のはしっこにある」と説明していますが、今回はここが最寄り駅です。開場前の朝から、すでにたくさんの人が並んでいます。いつもヴェルニー公園の端から眺めていた護衛艦のいる場所へ、今日は入れる。入場がはじまると、気分もぐっと高まります。


入場時間に合わせたかのように、SH-60Kが飛来します。護衛艦のプラモデルを作っていると、おなじみのヘリコプターですね。音も、地面に叩きつけられる空気もすごい。いきなりの歓迎です。

今回、最初に乗ったのは潜水艦「ちょうげい」。2026年に就役したばかりの最新潜水艦です(写真は、このあと乗った「しらせ」の艦上から撮影)。艦上では危ないので撮影しないでね、とのこと。大きく見える潜水艦ですが、実際に乗ってみると、普通に歩ける場所はとても狭い。しかも、足元はかなり曲面になっています。伺ったところ、濡れているとけっこう滑るとか。今回はもちろん乾いていて、歩ける範囲を示すテープや仕切りの網もあったので、安心して見学できました。

「潜水艦に乗った」というには、あまりにサクッとした体験。でも、表面の質感や実際に歩いた感触は、けっこう印象に残るものです。近くで表面を眺められるのも貴重な機会。遠くからだとひとつの黒いかたまりに見えても、同じ黒のなかに質感の違いがあったり、場所によって少し色が違ったり。就役したばかりの艦にも汚れがあって、模型作りに役立ちそうな発見がたくさんあります。

さらに奥に展示されている補給艦「ときわ」に向かいます。いつもはヴェルニー公園や軍港めぐりの船上から、少し距離を置いて見ているので、全体の姿がよくわかります。ところが、桟橋という至近距離からだと、大きすぎて全体が見えない。カメラにも収まらないそのサイズに、艦船の大きさを思い知らされます。

ときわは、とわだ型補給艦の2番艦で、1990年に就役しました。でっかい鳥居のような補給用の設備がすごい。これを使って、燃料や真水などの液体をほかの艦艇に補給します。この鳥居が前後に1本ずつ。さらに真ん中にも四角い設備が建っていて、コの字形の大きな柱が3つ並んでいます。これは模型でも見どころになりそう。このとわだ型は、ピットロードがしっかりプラモデルにしています。

艦上でもうひとつの楽しみ方に気づきました。乗っている艦から、ほかの艦を眺められるんですね。ときわの隣に停泊していた「あすか」がよく見えます。いろいろな装備の試験などを行う試験艦で、高い艦橋に四角いレーダーの目を持つ、独特の姿をしています。レールガンを搭載したことでも、ちょっとしたニュースになりました。今回はレールガンの姿は見えませんでしたが、艦橋の前には見慣れない角張ったキャニスター(ミサイルなどを収める容器)が。新型?

そして、あすかのむこうにはイージス艦「まや」がいます。こちらは2020年に就役した新しい護衛艦で、全長は170m。いま乗っているときわの167mと近い長さです。桟橋ひとつぶん離れないと、全体の姿が見えないのも納得。せっかくなので、こちらもたっぷり拝んでおくことにしました。

模型作りの目線で見ると、けっこう汚れが出ているところも気になりますが、もうひとつ目を引いたのが、対艦ミサイルのキャニスターの少なさ。以前プラモデルを組んだときには、4本ずつ2組、計8本を載せました。それが今回は、左右に1本ずつになっています。いつも同じ数を載せているわけではないんだね、と実物を見て理解しました。

ときわから降りて、すでにかなり満足しています。潜水艦の黒にもいろいろあるし、ミサイルの筒はいつも全部載っているわけではない。プラモデルを作って知ったつもりになっていても、実物を見ると「そうだったのか」が出てきます。これは帰ってから模型を見る目もちょっと変わりそう。と、ここで冒頭の友人から連絡が。
「マジダッシュしたから横須賀着く」
こちらはもう、帰ったら何を作ろうか考えはじめていたところです。そうでした、まだ乗れる艦船があるんでした。友人はこれから一隻目。こちらはおかわりです。つづく。