今年も寒くなってきて、「そろそろコートの季節だな」と思いながら衣装ケースをガサゴソやっていたら変形のモータサイクルコートが出てきた。モーターサイクルコートにはいろいろな形があるが、一般的にはロングコートタイプのものが多い。襟が大きくて、トレンチコートのようにダブルの合わせのものあるし、シンプルなシングルタイプもある。どちらもウエストのベルトをギュッと絞って着ると雰囲気が出る。
この手のコートがかなりゆとりのあるシルエットなのは、中に着る服を選ばないようにだと思う。実際着ていると何を着ようがベルトを絞ればサマになる。ラグラン袖で動きやすくシルエットもかしこまらないのが良い。私が自分が持っているものを「変形」といっているのは裾が短いから。しかし、これくらい短い方が、風が吹いたときに裾がバサバサしないし、取り回しが良い。なので当時も丈が短いタイプも出回っていたんじゃないか。
短めの裾のコートを着てバイクでかっ飛ばしたら寒いだろうから、と原付のプラモデルを探していたら見つかったのがアオシマの「1/12 ホンダ AC15 ドリーム50 ’97 カスタム」だ。「こんな見た目で原付なのか……」と、とても新鮮に見えて思わず購入した。箱を開けたら真っ赤なフレームが目に付く。それ以外にも銀メッキのパーツはギラギラに光るものと、サテン調の落ち着いたものが二種類あって、なんだか得した気分だ。
完成までは通常の流し込み接着剤よりも、瞬間接着剤を使う時間の方が多い。 これほどまでに瞬間接着剤を使うことがあったか、と驚くほど。それだけメッキパーツが多いのと、通常の接着剤でくっつけるための「接着面のメッキを剥がしてください」という説明書の指示を無視したということだ。
瞬間接着剤は低粘度のさらさらしたものを使ったが、流し込み接着剤のように隙間に入り込むのには驚いた。勢いよく出し過ぎて、はみ出た瞬間接着剤が白化した部分もたくさんあった。一通り組み立て終わった後に白化した部分を除光液で拭いてキレイにしたり、指紋がべったりついたメッキパーツをキムワイプでつやつやにし直す時間は「完成後へ向けてのもうひと踏ん張り」ということで、めっぽう楽しかった。
昔っぽい見た目のバイクは今ではすっかり見かけない姿で、いつか出会うだろうと思いながら外を歩いていると思ったよりも原付バイク自体が道路を走っていなかった。モーターサイクルコートは数年前にふと流行ったが、ドリーム50のような原付は流行るだろうか。シャキッとしたドリーム50、走っている姿を街で見逃さないようにしたい。
1987年生まれ。デザインやったり広報やったり、店長やったりして、今は普通のサラリーマン。革靴や時計など、細かく手の込んだモノが好き。部屋に模型がなんとなく飾ってある生活を日々楽しんでいます。
Re:11colorsというブログもやっています。