ドイツ軍を代表する海の兵器。それが潜水艦である「Uボート」です。Uボートは軍艦や商船に忍び寄り、気付かれないまま襲って撃沈する恐怖の潜水艦……みたいな印象がありますが、連合軍の対潜部隊が進歩するとドイツ軍のUボートも苦戦を強いられます。そんな状況を打破できる、奇跡のUボートと呼ばれた2種類の潜水艦が第二次世界大戦後半に誕生します。それが今回紹介するXXI型とXXIII型です。
この2種は水中航行時に使用する蓄電池が大量に搭載されていることからエレクトロボートとも呼ばれ、以前のUボートに比べて長時間の潜水航行が可能となってます。それまでは、水上はディーゼル機関/水中では電動モーターと別々の機関を使用しなくてはならず、大半の時間は浮上して行動し、潜航するのは攻撃時や逃走するときに限られていたのです。特にXXI型は新設計の船体ゆえに水中でも高速航行が可能であり、静粛性を無視すれば17ノットで航行可能でした(従来型のUボートは7.6ノット)。
船体をバラバラに分割して造船所や鉄工所で建造して合体させるブロック工法を用い、大量生産する予定でしたが時すでに遅し。大戦中ほぼ活躍の場面がなかった悲運の潜水艦でもあります。でもその高性能ぶりが評価され、戦後各国の潜水艦設計の基礎ともなったのでした。
キットはパーツ構成もごくシンプルで船体構造物も少ないため、2隻1時間もかからず組めます。どのパーツも小さいからピンセットは必須ですよ!!
大きい方のXXI型でも110mmというサイズ。しかし、組み上がって並べてみると不思議と迫力があります。流線形に綺麗にまとめられた船体がよくわかります。
現用の潜水艦だったら1/700でもボールペンぐらいのサイズ感はありますが、本キットはさらに小さい感じ。XXIII型なんかはもう、スタイルも含めて玩具的な手触りがかわいい。このスケールならば他の国の潜水艦と一緒に並べて、設計思想の違いも楽しめます。揃えて楽しんでみようっと。一箱で4隻も作れるとってもお得な「ピットロード 1/700 ドイツ海軍 潜水艦 Uボート XXI型&XXIII型」で、ぜひ潜水艦プラモを楽しんでください。
1977年生まれ。戦車道とスピットファイア道を行き来する模型戦士。生まれ育ちは美濃の国、今はナニワ帝国の片隅でプラモデルを作る日々でございます。