プラモは後ろを見ろ!

 髪切りに行くじゃないですか。で、ギャル男みたいな「D&G」ってエンブレムのバックルのベルトを未だにしているお兄さんに切ってもらうんですけど、先日こっちから時計の話をしたんですよね。「ロレックスが欲しい」みたいな。そうしたら、ロレックスのことめちゃくちゃ詳しくて、びっくりしました。そのままずーっとロレックスの話をしていました。

 「お客さんでもロレックスしている人いるよ」みたいな事言いだして「え?」って思ったんですけど「わざわざ髪を切りに来るのにロレックスしてるなんてよっぽど時計好きで、話しかけてほしいんだなって思うから、絶対話しかけるようにしている」って言うんです。プロですね。

 で、その人が言うに「床屋さんのすごいところは後ろをキチッと作るところ」だそうです。彼がスタッフとして入る前から私が通うこのお店は、確かに小学生の私にも「はい、完了でーす」といって、パカッと開く合わせ鏡に後頭部を映して、目の前の鏡に映る自分の後ろ姿を毎回確認するように促してくれていました。「あ、メガネをください……」とまだ慣れないスタッフに言うところまでがお約束。

 そんな風にプラモの男前たちの後ろ姿を確認すると、すっと立った姿に羽織ったジャケットが風になびく姿にかっこよさを覚えたり、ぽつんとしゃがむ姿の丸い背中に寂しさを覚えたりします。アルパインミニチュアのレジン製のキットはそういう男前が多いなー、やっぱレジンフィギュアは最高だな、なんて思っていたら、mini artの寒さに耐えながら焚き火に食器を当てている兵士の背中にはコートのアクションプリーツがしっかり再現されているじゃないですか。タイトシルエットからオーバーサイズへの変化がここ数年一気に進んだ感のあるファッションの世界ですが、贅沢に生地を使った凝った仕様のコートをほんの数センチの大きさしかない男性が着ている姿を見て「やっぱり男のコートはこうでなくちゃ」と思いました。

 後ろをしっかり作る床屋のお兄さんと、フィギュア原型師のプロフェッショナルさに敬意を持って、今日もかっこよく行きましょう。

 あ、件の床屋さんなんですけど、童友社の目の前にあるんですよね。

クリスチ
クリスチ

1987年生まれ。デザインやったり広報やったり、店長やったりして、今は普通のサラリーマン。革靴や時計など、細かく手の込んだモノが好き。部屋に模型がなんとなく飾ってある生活を日々楽しんでいます。
Re:11colorsというブログもやっています。