ピックアップ・タミヤMMフィギュア!  小休止、戦車を添えて。「ソビエト 戦車兵小休止セット」

 単品では意味がわからないけど、ソ連戦車と組み合わせればギラリと光るフィギュアセット! 「ソビエト戦車兵小休止セット」は、女性兵士だけじゃない面白さのあるキットです。

▲箱はおなじみ大西先生の筆によるもの。踊ってるみたいな人がいますね

 ちょっと意外なことに、この「ソビエト戦車兵小休止セット」が発売されるまで、タミヤからはソ連の戦車兵単体のプラモデルは発売されていませんでした。もちろんT-34を筆頭にソ連製戦車のキットは色々と発売されていたものの(とはいっても初のソ連戦車キットである「T-34/76 1942年型」が発売されたのは1975年なので、割と後回しにされている)、ソ連軍戦車兵のフィギュアのみのキットは1997年まで存在していなかったのです。

 思えば前回の「ドイツ歩兵野戦会議セット」が発売されたのは1996年の年末。さらに1996年8月には、戦車にくっついて進撃するソ連軍歩兵を題材にした「ソビエト歩兵進撃セット」が発売されています。

 そのほかのアイテムを見ても、どうやらこの当時のタミヤはちょっとした東部戦線ブームだった様子。女性兵士が混じっているところからも「ソ連戦車兵キットのスタンダードなセットを作るぞ!」という気合いを感じます。

▲中はランナー2枚。シンプル~!

▲コートの裾で上半身と下半身が分かれてます。パーツの合わせ目が装甲の継ぎ目になってるガンプラみたいなもんです
▲ソ連兵といえばコレ、という戦車帽。畳むとこうなるのね……

 なんせ戦車兵は装備品が少ないので、箱の中にはほぼ全部兵隊の体だけのランナーが2枚。地味に見える内容ではありますが、上半身と下半身の切り分けがコートの裾のラインだったりして、ソ連戦車兵の制服に合わせた形になっているのが面白い。90年代のAFVブーム期の商品なのでモールドも端正で、今でも十分通用しそうです。

▲こういう感じの姿勢のおっさん、立ち飲み屋にいるよね

 一般的なソ連戦車兵の服装は、歩兵と同じルバシカ型の軍服の上にワンピースのオーバーオールを着るというものだったのですが、このオーバーオールを着ないで戦車に乗る兵士もたくさんいました。なので、戦車帽以外は普通の兵隊とほぼ同じ服装ということになります。また、防寒用にオーバーオールの上から黒い 7分丈の革コートを着用することも多かったとか。このセットでは、そういった服装のバリエーションが幅広くフォローされています。このあたりからも「ソ連戦車兵のスタンダードなキットを作るんだ!」というタミヤの思惑が伝わってきますね。

▲これも立ち飲み屋にいそうなポーズだ

▲女性兵士のポーズが汎用性高めなところに、タミヤの大いなる意志を感じる
▲しかし全員戦車に寄りかかっているな
▲この人も、どこにでも座らせられそうですね

 このキットのもうひとつの特徴が、戦車に寄りかかったり座ったりという「戦車ありき」なポージングになっている点。箱絵ではなんか踊ってるようにしか見えない人とかがいましたが、戦車に添えれば「なるほど確かにこれは小休止だわ」というポーズに見えるわけです。あと、意図を感じるのが女性兵士のポージング。というのも、この人だけ戦車ありきじゃなくて普通に歩いてるポーズなんですよね。「女性兵士は置き場を選ばない感じにしといたから、あとは自分で考えて使ってくれよな」という、タミヤからのメッセージを感じます。

▲憩ってるな~!

 というわけで、タミヤ初のソ連戦車兵フィギュアセットは、あくまで戦車ありきな姿勢が光る逸品でありました。とにかく塗って添えるだけで絵面が締まるので、情景作りには最適なフィギュアセットだと思います。女性兵士も入ってることだし、ソ連戦車購入の際にはぜひとも一緒に買っておきたい一箱ですよ!

しげる
しげる

ライター。岐阜県出身。元模型誌編集部勤務で現在フリー。月刊「ホビージャパン」にて「しげるのアメトイブームの話聞かせてよ!」、「ホビージャパンエクストラ」にて「しげるの代々木二丁目シネマ」連載中。プラモデル、ミリタリー、オモチャ、映画、アメコミ、鉄砲がたくさん出てくる小説などを愛好しています。