

古代ギリシアの神話をモチーフにしたプラモデルが発売されています。ちょうどトロイア戦争を描いた叙事詩イリアスを読んでいるタイミングでそんな話を聞くなんて、これは主神ゼウスが私に購入しろと言っているに違いない……ということで、イリアスを読み終わった記念にマスターボックス社から出ている「1/24スケール 騎乗の戦士と略奪される美少女」を近所の模型店で購入しました。

「イリアス」は知らなくても、駿足の英雄アキレウスが活躍する話と言えばイメージの湧く人も多いはず。私の娘が履いている運動靴も、アキレス社の「瞬足」という名前だし、イリアスは現代でも創作のモチーフにされるようなとても面白い作品です。現代とは異なる古代ギリシアの世界観や、叙事詩と言う独特のリズムを持った文章なので読むのに慣れが必要なのも確かですが、古代史への興味や古典の楽しみ方を教えてくれた本なので、読破したことを誰かに称賛して欲しい!と思ってこのプラモデルを作ることにしました。

このプラモデルは「騎乗の戦士と略奪される美少女」と日本語で紹介されていますが、本来の商品名は「Trophy」です。英語のトロフィーの語源となっているのはギリシア語で戦利品を意味する「Tropaion」。古代ギリシアの時代は相手の美女も戦利品として奪う習慣があったため、この商品はトロフィー(=勝利の証)と名付けられたのだろうと推測できます。私が欲しいのは読破を称賛するものなので、Trophyという商品名が今の気分にぴったり。


箱を開封してみると、中身はちょっとオーバーじゃないかと思うぐらい濃い目の演技をしたキットです。戦士の顔なんて、古代ギリシア時代に作られたラオコーン像のようで、「まんまギリシア人の顔!」と思ってしまいました。戦士の顔だけでなく、少女や馬のたてがみやポーズも躍動感があり、神話をモチーフにした絵画か彫刻という雰囲気があってとても良いです。

ただ貼って完成させるだけでも表情豊かな模型ですが、私が手に入れたいのは読破した記録となるトロフィー。大理石の彫刻や油絵の様に仕上げても良いですが、ここはトロフィーらしく金色にしようとゴールドのスプレーでひと吹き。スプレーで一気に色が変わる気持ちよさに加え、ゴールドは見ていて楽しくなる華やかさをプラモデルに加えてくれるので使うと気分が上がります。トロフィーらしくみえるようにちょうどいい大きさの台座も用意しました。

プラモデルという媒体を使うことで、読書記録は目に見え手に取れる形へ姿を変えることができました。「本を読む。関連するプラモデルを作る。一緒に本棚へ並べる。」これまで考えもしなかったプラモデルの遊び方まで思いついて、まさに自分だけの戦利品(トロフィー)を手に入れた気分です。