

先日開催された全日本模型ホビーショーの会場でいちばん気になっていたプラモデル(……と言っていいのか!?)がついに発売されました。童友社が輸入販売する中国RASTAR製の「レッドブルRB19」です。1/16です。デカいです。
>HLJ 1/16 プラモデルキットR/C レッドブル F1 RB19

そしてこれ、一応ランナーにパーツがくっついているのでプラモデルの範疇に入れてますが、正直なところ組み立て式のトイラジです。スイッチ式のリモコン(プロポーショナルではない)で前後左右に走行します。組み立て玩具とプラモデルの境目はだいぶ曖昧なのでその定義はまあ置いといて、その内容がマジでハンパない。

最新F1ならではの有機的な空力デバイスがドカンとスライド金型で一体成型になっていますね……と終わらせそうになりますけど、表面の質感をご覧ください。CFRPの織り目(いわゆる”カーボンパターン”)が見えます。これ、印刷でもデカールでもなく、マジでパーツの表面に彫刻されてるんです。クローズアップするとツヤありの表面にツヤ消しの稲妻みたいにギザギザパターンが刻み込まれています。

あんまり専門的な話をしてもしょうがないのですが、金型の抜き方向とかぜんぜん関係なく、うねうねした曲面に対してまったくパターンが歪むことなく、垂直に近い面もディテールがダルくなることもなく、ひたすらビシーっときれいに彫刻されています。いろいろ調べると金型表面に規則的かつ微細なパターンを刻むテクノロジーはあるらしいのですが、当然ながらそれをどうやって作るのかが金型加工会社の価値になるので具体的な方法論はわかりません。わかりませんけど、すごいからヨシ!

さらに専門的な話になるけど、なにがすごいって俗に突き出しピンと呼ばれるイジェクタのアタマ(上写真の左側に見える丸い痕)にもパターンが入ってるんですよねぇ。ここはパーツを金型から剥がすために丸い棒のぶっきらぼうな断面を当てるところなので、ツルツルになっていても不思議ではありません。
こりゃもしかしてパーツを成形したあとに工場の職人さんがパターンを貼り込んでいるのでは……なんて思うのですが、爪でガシガシこすってもパターンは剥がれたりしないし、そもそもこんな複雑な面に手作業で何かを効率的に貼るのは不可能です。マジでどうなってるんだこれ……。

タイヤもだいぶ不思議な構造で、硬いプラスチックでできたホイールとやや粘り気のある軟質素材のタイヤがミチっと合体した状態でセットされています。ホイールから取り外そうとタイヤを引っ張っても押し込んでもびくともしません。ちなみに側面のマーキングや赤いラインも印刷済み。
トレッド面のじわじわした凹凸、ショルダーの形状なんかもかなり実感的だし、そもそもパーティングライン(金型の合わせ目が線状のバリになって残ったもの)がタイヤのど真ん中をぐるりと一周していないのが良い……。っていうか、通常のプラモデルメーカーのカーモデルでもこうした表現があったらすごく嬉しいじゃん、とすら思います。

このキット、もはやモデラー的な「貼る」「塗る」みたいな工程はほぼ残っていないわけですが、しかし自分でランナーからパーツを切り取って組み立てるだけでガシーっとイメージ通りの完成品が手に入るという意味では猛烈によく考えられています。
そしてなにより、CFRPのパターンやタイヤといった「現代F1において美味しい質感表現ポイント」をキッチリと(私の知らない技術で)押さえているのに感動した次第。私はこれから組んで遊びますので、みなさんも絶対に買って開けてビビってください。組み上がったらまた来ます。そんじゃまた。
>HLJ 1/16 プラモデルキットR/C レッドブル F1 RB19