こんなにかっこいい野菜配達車があるなんて! と衝動買いした「ミニアート 1/35 テンポA400 リーファーワーゲン 野菜配達バン」。この車は、第二次大戦直前、ドイツ国内の自動車とオートバイの生産標準化を進める「シェル計画」に基づきテンポ社が開発したもの。1938年に発売した三輪自動車E400をベースに、屋根付きの荷台の後方にドアの付いたライトバンタイプがA400。使いやすい小型商用車としてヒットし、戦後も広く使われました。かっこいい車に大量の野菜のプラモがセットになったとってもお得なキットです。
このキット、手のひらサイズですが、車両のパーツはこれでもかと細分化されていて、組むのに2日かかりました。でも、パーツはスパスパあっていくので、組みにくさはありません。小さいパーツを飛ばさないように慎重に行きましょう。もう最高なのが「棚」です。このプラモは、棚の模型とも言えます。
僕は実生活で使用する棚を作るセンスがゼロ。nippper部室の棚も、僕がネジ分けをしたら、ネジを間違えて大変な目にみんなを合わせてしまいました。でもこのテンポは板をキャビンの中のラックに置いて、流し込み接着剤を流すだけ。かわいい野菜たちをセットする棚がスムーズに完成しました。棚を作るのが楽しいと、人生で初めて思えました。
で、テンポの超かっこいい部分がフロント。カバーを取り付けると隠れてしまうのですが、中はエンジンやマフラーなどディテールがみっちみち。ここだけで、組むのに後方のキャビンと同じくらいの時間を要しました。
とっても小さくてかわいい車ですが、キットの内容はメリハリの応酬。大胆な箱組みをしたかと思えば、細かなヒンジなどをピチピチと貼っていくというまさにジェットコースターに乗っているかのような組み立て体験が待っています。パーツの合いに関しては、本当に素晴らしいので、そこは安心してください。このテンポはさまざまなバリエーションが発売されているのも特徴です。ぜひ店頭やウェブでキットのパッケージに描かれている仕様から、お気に入りのものを作ってください!!
1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)