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『アズールレーン』なラインナップ!?中国メーカーが攻める艦船模型のロイヤルな味わい/トランペッター イギリス海軍 ベルファスト

 キャラクターモデルでは、劇中で大いに活躍したロボットにキット化の順番が回ってきます。じつはスケールモデルも似たようなもので、レースに勝つとか、戦史に残る、みたいなものが順繰りに立体化されるのです。艦船模型ではとくに、ウォーターライン組合によって帝国海軍の艦船が充実し、そのうえでライバルとなった艦船がプラモデルになりました。戦艦霧島と殴り合ったワシントン、ミッドウェイ意地の反撃で沈んだヨークタウン、そして大和の向こうを張るアイオワ、ミズーリ……。記念艦として余生を過ごす艦船は取材しやすいという部分もあってか、まさにキット化されやすいアイテムでもあったわけです(写真はハワイに居る戦艦ミズーリ。1/700スケールでは5メーカーから発売されている、大人気記念艦です)。

 日本のメーカーはやはり太平洋にキット開発の重心があるゆえに、大西洋はなかなか立体化が遠い場所でした。それでもビスマルクとその追撃戦は一大海戦であるがゆえにフッドなど関係艦が立体化されたのですが……。北の海で粛々と任務をこなし、そして記念艦として現在も生き残り、素晴らしい取材先があるにも関わらず、ベルファストはエアフィックスが1/600で立体化したぐらいしか、プラモデルとして引き合いがなかったのでした。

 ところが、『艦隊これくしょん』や『アズールレーン』のようなゲームブームから、さまざまな艦船に注目が集まるようになってきました。トランぺッターはこのあたりから、1/700でも艦船模型を展開するようになってきます。ゲーム(特に『アズールレーン』)に影響されたようなラインナップもありつつ、そのなかにベルファストがついに入ったのでした。トランペッターの動向は、アジアメーカーの艦船模型シーンを見る上でも重要ですね。

 細かいパーツがギュッと押し込まれたランナーたち。しかし現代の艦船模型はパーツ同士がピタッと合うので、そこまで心配しなくても大丈夫です。

 階層まるごと1パーツという組みやすくなったフォーマット。こういった新設計の恩恵に浴せるのが、いま立体化されることの良さかもしれません。

 トランぺッターは結構ディテールにもこだわっています。ルーバーの並びや水密扉、精密さがよくわかりますね。

 船体のパーツがこれだけで完結しているんです。トントンと積むだけでシルエットが完成します。早くて簡単。

 エッチングパーツは繊細がゆえに取り扱いもシビア。ぐちゃっとつぶさないように、慎重に畳んでいき、端に瞬間接着剤をつけて固めていきましょう……。折り曲げに使用しているエッチングベンダーは、一つ持っていると作業効率が上がりますよ。

 エッチングパーツはディテールをさらに引き立てるので、使った効果がわかりやすい部分です。がんばりがいのある部分でしょう。なんでもチャレンジあるのみです!!

 組み立て説明図のほかに、カラー印刷の塗装指示もあります。迷彩塗装の船にはとってもありがたい配慮。色がすぐにわかって超便利。そして実物はこんな姿をしているんですよ、というのもよくわかりますね。

 ほどよいサイズで、武装もぎゅうぎゅうではない巡洋艦。このバランスが好きですねえ。ようやく1/700で発売されたロイヤルな巡洋艦、エッチングパーツは手ごたえいっぱい、パーツは細かくて楽しい、なかなか芯のあるキットです。ピンセットを用意して、ぜひ挑んで下さい!!

けんたろうのプロフィール

けんたろう

各模型誌で笑顔を振りまくフォトジェニックライター。どんな模型もするする食べちゃうやんちゃなお兄さんで、工具&マテリアルにも詳しい。コメダ珈琲が大好き。

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