
週末の模型ライフが楽しくなるプラモを、フミテシの独断と偏見でお届けする「花金プラモ」。今週は、日本海軍の艦艇においてプラモデル好きなら思わず手に取りたくなる「最上型重巡洋艦 最上」をお届けします。

タミヤより発売されている重巡洋艦最上は、航空巡洋艦という世界でも類をみない改修を遂げた姿でキット化されています。当初この船は、15.5cm3連装砲塔5基を備える大型軽巡洋艦として昭和10年7月に竣工。その後昭和14年から15年にかけて主砲を20.3cm連装砲塔に換装して「重巡洋艦 最上」として生まれ変わりました。しかしこの船はミッドウェー海戦における損傷(最上型重巡洋艦 三隈との衝突事故)によって、再度姿を変えることとなるのです。
船体後部の主砲を撤去。大型の飛行甲板を設置してこのキットの姿である「航空巡洋艦」へと生まれ変わります。日本海軍は偵察航空機を活用した目視による戦況把握を行ってきました。そのような偵察機を多数搭載できるようにしたのです。パッケージアートもその魅力を凝縮した素晴らしいものとなっています。キットは2002年に発売されました。

艦船模型は多数の姉妹艦がバリエーションとして存在する世界。細部の違いなどを楽しみ「ええですな〜」と悦に浸れる楽しさがあるのですが、この最上は「最上型」という枠に収まらず、すべての日本海軍艦艇の中においても異質な存在と言えるので、この船にしかない栄養みたいなものを摂取できます。しかもランナー数はこれだけ。とってもシンプルなのに迫力ある船が爆誕するのです。


2002年発売のキットだけ、各モールドはとてもシャープ。リノリウム甲板のモールドのキレ、後部飛行甲板の鉄甲板の表現は1/700スケールという縮尺においても、非常に立体映えする美しい仕上がりになっています。

艦船模型において組み立て難易度の指標ともなる「マスト」。こちらも細かなパーツ分割はせずに、各塊で成型されているのでとても扱いやすいです。各部には小さいながらもしっかりと糊代があるので、接着箇所も分かりやすいようになっています。

艤装や構造物もある程度塊で成型されたパーツを組み合わせて作っていきます。小さなパーツに触れる機会が少ないので、初めての艦船模型チャレンジにももってこいと言えます。組み上がったパーツをこのように船体をワシっと持ちながら取り付けていくのがとても楽しいです。目の前でディテールの凝縮を味わえます。

これだけ迫力ある艦影をおよそ2時間半で味わえます! 最近のキットのような超精密なディテールは無いですが、各所の造形は非常にシャープなので、キレのあるシルエットが生まれます。

そしてこの魅惑の艦尾です。最上の最大搭載可能数は11機とされています。組んでみるとそんなに乗るの!? って感想を思わずにはいられません。説明書の指示に従って僕は乗せました。7機乗せただけでもこの充実感。

プラモデルのモチーフとしてまさに最高とも言える「航空巡洋艦 最上」。艦船模型は塗らなくてもシルエットで大満足できる魅力があります。ネットや模型雑誌には超絶艦船模型作例が多数掲載されているので、「自分には作れるのかな?」と思ってしまう人も多いと思います。しかし、1/700スケール ウォーターラインは、こうやって組むだけでも本当に楽しいです。
最上においては間も無く戦艦とも言える迫力を楽しめる船体前部、後部飛行甲板に航空機を配置できるという2部構成の舞台を見ているかのような楽しい感覚に浸れます。その楽しさを組み立てやすさとモチーフのかっこよさで味合わせてくれるのが「タミヤ 1/700 日本航空重巡洋艦 最上」です。ぜひこの週末、このスペシャルな船を建造してください。それでは〜。