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最高の思い出をプラモデルで手にした物語。イギリス発、中野区新井薬師着の「ロイヤルネイビーコルセア」

▲道中からリバイバル。それがグッドウッドリバイバル

2017年、からぱたと共に訪れたイギリス(同じ年に2回訪れた)。そこでの体験はあまりにも強烈で、模型店に入るたびにあの飛行機や車を見たな~など色々なことを思い出す。飯が不味い、本場のスーツ姿はヤバイ、視界に入るものすべてが歴史の塊だったなどなど……。

▲豆は無味&柔らか。フィッシュはフォークを入れれば四散する。ヒースロー空港付近のホテルでのイギリスのファーストバイトは、期待を裏切らなかった

その中で、強烈にかっこよかったのが「グッドウッドリバイバル」というイベントで見た「ロイヤルネイビーのコルセア」だった。コルセア自体初めて見る体験。それがロイヤルネイビー……。アメリカ生まれのブルースをイギリスのバンド「ローリングストーンズ」の曲から体感したような震えが、あの日僕を襲ったのだ。

それ以来コルセアにロイヤルネイビーのマーキングがセットされたプラモが欲しい……その思いは常に僕の頭の中にあった。そして先日、打ち合わせで行った中野区新井薬師の街で突然出会うことができた。ふらりと入店した模型店「ホビーサン星」の棚にひっそりと置かれていたのだ。中野区新井薬師の片隅で、僕の模型の旅の思い出が思い切り爆発したのだった……。

▲マジでかっこいい! そしてからぱたは本当に写真がうまい。こんなに良い写真見たら、プラモが作りたくなってしまうので、困ったもんだ(撮影/からぱた)
▲グッドウッド、ダックスフォード、点々とした体験が線で繋がっていく。僕の人生でも大切な思い出が、中野区新井薬師で購入したひとつのプラモでしっかりと固定された

 ロイヤルネイビーのコルセアと出会った「グッドウッドリバイバル」は、 1998年から毎年9月にイギリスのグッドウッドサーキットで開催される3日間のフェスティバル。1948年から1966年の間に競争したであろうタイプのロードレースカーとオートバイを対象としている。訪れる人のほとんどが、48年~66年風の服を着て楽しんでおり、レースだけでなくその景色も素晴らしい。このイベントには、飛行機のレストアコンペも一緒に開催れており、静態展示(駐機している状態)と動態展示(実際に飛んでいる姿を楽しむ)を楽しむことができる。動力が付いている一流のかっこいいものがわんさか置いてあるのだ。プラモデルが大好きな僕らが行けば、360度プラモの世界を楽しめる空間である。

▲グッドウッドリバイバルの景色。スピットの脇に立てば、俺がまもなくプラモデル!

 僕はイベントの後、ひとりイギリスに残りさらに1週間ほど過ごした。その時に向かった「帝国戦争博物館 ダックフォード館」(映画「空軍大戦略」「メンフィス・ベル」でも撮影に使用されている英国を代表する航空・戦争博物館。第二次世界大戦でも重要な基地であった場所)。
 そしてこの場所で、あのコルセアとまさかの再開を果たすのだ!!

▲帝国戦争博物館・ダックスフォード館
▲とにかく広大。そのため、各ポイントにここから入口まで戻るのに何分かかりますよと注意喚起がされている
▲イベントでのお勤めを終え、ダックスフォードのホール内で綺麗に整備されているコルセア。見た瞬間「え~~~~」って声が出た!!

 ホールに入るなり、僕の目が釘付けとなった。数日前に見たコルセアがそこにいる!!! グッドウッドでは見ることができなかったあんなパーツやこんなパーツ、翼を折り畳んだ時のかっこよさなどをじっくりと堪能でき、さらにこの飛行機が好きになってしまうのだった。

▲ハセガワのロイヤルネイビーコルセアの本体であるデカール。これが欲しかったのだ
▲喜んで切りますよ!!! ロイヤルネイビー仕様が手に入るんだからね!

 ミュージアム的なイベントであるグッドウッド、航空・戦争博物館のダックスフォード、中野区新井薬師のホビーサン星。2017年のときめきを手にするまで、こんなにも時間がかかってしまったけど、僕の目の前には今「ロイヤルネイビーのコルセア」がある。とても愛おしい。
 大事な思い出をこれから作れると思うと、ワクワクが止まらない。これだからプラモの趣味ってのは最高なんだな~と僕は思ってしまう。突然の出会いに感謝! 今日から思いっきりロイヤルネイビーのコルセアを楽しんでみようと思う。

▲ダックスフォードからの帰りの車内で、僕は爆睡してしまい、起きるとキングスクロスにいた。そこは紛れもないハリーポッターの世界。夢の翼の国から、ロンドンへと帰ってきたのだった
▲全く来る予定の無かった場所に来ちゃったけど、旅と言うものはこういう時が一番楽しい。予定外で見た街の景色も、ひとつのプラモが思い出させてくれた
フミテシのプロフィール

フミテシ/nippper.com 副編集長

1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)

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