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そのプラモデルを三越に飾りたい/金属色に輝くスレイプニール

 海洋堂のアートプラ、スレイプニールを組んだ。けっこう大振りなパーツが多くて、パーツ同士は速乾タイプの接着剤を使えばノンストップで組み上げられる。ロボットとは違うし、ミリタリーフィギュアに見られるような人間の肉体や衣服とも違う、有機的な曲面が存分に味わえるのが良い。そんでもってパーツの組付けは絶対に迷わないようにすべてのダボ(ハメ合わせ箇所)の形状が考えられているのもすごく良い。ただ組んでいるだけで、めっちゃ楽しい。

 ん〜かっこいい。大ボリュームかつ繊細な造形が一気に手に入るプラモというのは、緻密さ繊細さをパーツ数でカウントするのがトレンドになっている現代ではなかなか少ない。可動部がないのも高速道路のような快適な組み味に寄与していると思う。んでもって、完成見本……というか設定ではかなりこまかい塗り分けの多いキャラクターなのだけど、これをマスキングや筆塗りで仕上げようとしたらかなりの手数がかかりそうだ。一応各ユニットをバラして塗れるように仮組みしたけど、他にも作りたいプラモは山盛り。そういうときは、プラモを彫刻として楽しんだっていい。

 プラスチックの色はほんの少しパール感のある淡いブルーグレー(とてもこだわって調色されたもの)なのだけど、彫刻の陰影がバキッと見えるのはやはり金属色。透けをなくして金属光沢を強く出したければ、下地に黒を吹くと効果的だ。ツヤのあるブラックをスプレーしてから、GSIクレオスの「Mr.カラー スーパーメタリック2」から、スーパーカッパーという塗料をチョイスして吹き付けた。筆塗りだとキレイな金属光沢にはならないので、エアブラシを持っていない人はイージーペインターを使うのがオススメ。

 台座はGSIクレオスのGXレッドゴールドで塗装。これでもかというくらいゴージャスな見た目になって、まるで百貨店の最上階にいるような気分になってきた。もしこれがプラモデルだって知らない人が見たら、きっと驚くはずだ。最初は銅が酸化して青錆をまとった状態にするのもいいかな……と思ったけど、この神々しい見た目に大満足。これなら特別塗り分けるテクニックやツールがなくても彫刻が存分に楽しめる。プラモの造形を味わうにはもってこいの、民主主義的塗装法だとあらためて確信した次第。みなさんも、ぜひ。

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からぱた/nippper.com 編集長

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』https://wivern.exblog.jp の中の人。

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