
接着剤いらずのスナップフィットキットとして抜群の組みやすさ、面白さだったのが海洋堂のP.K.A.(Panzer Kampf Anzug)というカプセルトイ由来のSFプラモだった。組みやすさも合わせてMa.K(マシーネンクリーガー)という横山宏ワールドのルックスが小1の息子にドンズバだったらしく、サックリと3体を組み上げていた。私がキットの動物たちを相手に四苦八苦している間に、息子は勝手に優勝していたのである。スナップフィットの嵌合の塩梅が過去イチのジャストさだった。それはカプセルトイという、ごく一般ユーザーが手にすることを踏まえて注力されたプロダクトゆえの成果なのだろうか。

1/35スケールのパワードスーツのサイズとフォルムがスナップフィット化に有利に働いているとも思う。タマゴ形状の上半身がゴロンと一体パーツなのが組みやすさの根幹となっていると感じた。カプセルに収めるために円で構成されたランナー、多くも少なくもないパーツをテンポよくパチ組みしていけること、とにかく組んでいく楽しさが目立つキットだった。カプセルトイというジャンルにおいても力を抜かないメーカーの姿勢に好感しかないし、考えてみると「フィギアの海洋堂」がプラモデルを自社展開していく最初期ということで注力されていたのかも。様々なモチーフをフィギアにしてきた海洋堂がプラモデルに挑戦していくプラモケイ「ARTPLA」前夜の話。

人気を博したカプセルトイをARTPLA『P.K.A.(3機セット) プレーメンP.K.A.』としてリパッケージする際に追加されたのが、同スケールの動物フィギュアセット。’00年代初頭の食玩ブームの火付け役となったチョコエッグを彷彿とさせるサイズ感と緻密なディティールが、ランナーを手にするだけで見て取れる。話はそれるが滋賀県長浜の『海洋堂フィギュアミュージアム黒壁』は食玩コーナーも含めて圧巻の展示なので機会があればぜひ。長浜が観光地としても抜群の趣があるのでオススメ。

この動物フィギュアセット、さすがの造形なのだが、組むのがちょっとムズかった。P.K.A.と同じくスナップフィットキットにしようとする姿勢は理解できるのだが、タテ割り2分割の合わせ目がどうにも締まらない。なんなら合わせ目で造形が間延びしてる気もする。結局、ピンを切り取り、合わせ目をヤスって調整し、接着剤で張り合わせた。P.K.A.が快調にパチ組みできるのを経たばかりだと、動物たちのたった2パーツが重たく感じてしまった。スナップフィットキットの成立には容易ならざる塩梅があるのだろう、と想像する。

P.K.A.はアースカラー系のプラ成形色が素敵なのでそれを活かすべく、部分塗りしてからデカールを貼り、つや消しトップコート仕上げでゴールすべくいったんバラバラに。部分塗りを終えると待ち構えていた息子が再びP.K.A.を3体組み上げていった。よほどこのスナップフィットキットを組むのが楽しいらしい。何度も言うが、塩梅が大変良いプラモデルだ。サイズ、フォルム、組味の三拍子がそろった気持ち良さがある。定期的に触りたい欲が湧くようなナイスキットだ。
35ガチャーネンと題したカプセルトイとして展開されていたパワードスーツがARTPLAとしてリパッケージされたこのキット、35ガチャーネンには他にも種類あるようなのでこうやってまたリパッケージされて欲しい… マジ切望!