

各部がほぼ可動しない、スタチュー(彫像)的な固定プラモデルを続々と送り出している「海洋堂 ARTPLA」シリーズ。その中でもマシーネンクリーガーシリーズだけは固定モデルにする考え方が異なっていて面白い。だから僕は何個もお代わりしたくなる。
他のアートプラは、モチーフのイメージにあった動的なポージングをしていて、いわゆる「シーン」を切り取っている。それに対してマシーネンクリーガーは「止まっているけど動きそうなもの」という機能的側面を切り取り、固定モデルに封じ込めているのだ。このキュスターの足がまさにそれで、各関節がスライドしたり、サスペンションが伸び縮みしそうなイメージを僕たちに届けてくれるのだ。

そんな組み立てが楽しくて、バリエーションキットが発売しても、再度組みたくなる。今回ご紹介している「ARTPLA マシーネンクリーガー パックレーテ [長砲身・短砲身] & ビクター 」は、先に発売されたキュスターのバリエーションキット。説明書を見て貰えばわかるとおり、足のフレームが各節ごとに大きな1パーツという構成で、全く動かない。しかし、動きはしないものの、いちばんかっこいい位置になるように固定され、さらに各パーツのディテールによっていかにも動きそうな雰囲気と、「実際に動いたらこんな動きをするんだろうな〜」というイメージを僕たちの脳内に一緒に送り込んでくれる。その二つのイメージを、僕たちは接着剤を通してこれまた「固定」していくのだ。

軸が収まるスペースにパーツを接着している時は、まるで種明かしのよう。動きそうだけど動かない。それを知っているのは組んだ僕だけなのだ。実際にうちの息子はアートプラのマシーネンプラモが可動モデルだと思って触って、足をグイと折り曲げたほど。それだけ固定モデルに機能的な雰囲気が盛り込まれている。

そして接着する軸と受けの形状が特殊で、パーツの位置がずれない工夫がなされている。これによって、誰が組んでも美しい動きや形状を固定できるというわけだ。

何度見てもこの脚は素敵だ。これが「可動モデル」だったり、「あなたのお好きな位置で固定できます」というフレキシブルな仕様だったら、ここまでの美しさにはならなかっただろう。誰が組んでもこの均整の取れたバランスを楽しめ、さらに機能的かっこよさも味わえる。固定モデルはダイナミックな動きやシーンを封じ込めるだけじゃないと教えてくれるのだ。組むたびにそんな刺激が待っている「海洋堂 アートプラ ARTPLA マシーネンクリーガー」シリーズをぜひあなたも組んで欲しい。