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初めてのエアフィックス/英国産飛行機プラモデルとコミュニケーション

 ごらんください両機のコックピットを。パイロットを乗せるうえで必要最低限な要素しかなくて思わず笑ってしまいました。「そうそう。完成したら目につきにくい場所なんだからコレくらい簡素なのあっても良いよね」と。

 「人生初のスピットファイアは同じく人生初となる英国産ヒコーキ模型で!」と手にしてみたこのセット。それぞれパーツ点数が25個くらいでサッとゴールできるうえグッとくる造形のナイスキットでした。

 右手にあるのが救国の騎士『スピットファイアMk.Vc』で、左手にあるのがジェット練習機として大ベテラン『ホーク T.Mk.1』となります。展示用の台座を含めても小ぶりなランナーがそれぞれ3枚づつ。流し込み接着剤(速乾)で組んでいけば、スピード感をもって2機のヒコーキ模型がテイクオフします。

 この台座が素敵なんですよー。それぞれの機体をモチーフとした形状になっていて面白いうえ、機体側のダボ穴との脱着は用意なので気軽に手にしてブンドドできます。

 組んで台座に取り付ければ空を飛ぶので満足が凄いです。着陸脚はキットに含まれますが、せっかくなので格納状態を選択。よし、良いぞ。プラの成型色のまんまで満足すぎるオブジェが完成しました。

  スピットファイアが目当てでホークに対してはオマケ程度に考えていたのですが、組んでみたらグッとくるものが。ユニオンジャックを大々的にあしらったこの機体が何なのかと調べてみたら、日本でいうところのブルーインパルス的な曲技飛行隊の機体でした。デカールと一緒に眺めていると「これ、赤く塗ってデカール貼ったら完全勝利では!?」という気付きがあり、キットの箱に同封された塗料を確認。

 そう、このキットは塗料、接着剤、筆が同封されています。日本のプラモデルにはない仕様。まさに英国の風。自分は模型ツールを揃えてあるので間に合うとはいえ、試してみたい異国仕込みのマテリアルたちです。

 同封されていた塗料は残念ながら賞味期限切れで使用不可でした。でも、それでも。ホークを塗りたい欲は止まりません。我が家の塗料ストックに近しい赤はないのかと捜索していると、まさかの太陽の牙ダグラムカラーがジャスト! 惑星デロイアの革命の赤という、リアルロボットアニメ文脈で英国プラモに応えてみます。

 今回塗るのは太陽の牙レッドのみ。キャノピーはマスキングして接着した状態で塗装です。鮮やかに発色してほしいので白サフを吹いておきました。ただ、ちょっと塗料がハジかれた部位があったのでキッチンクリーナーなどでパーツ洗浄をしておいた方が良いかも……なのですが、塗りたい欲が爆発している時の自分は「問題ナシ。前進!」です。

 キットの水転写デカールは美麗な印刷はもとより、面への追従性がバツグンでした。いちおうマークセッターを少し使いましたが必要ないかも。それゆえ扱いがデリケートに感じられたので、自分には対デカール貼り用ツール&マテリアルは必須でした。道具を駆使する喜びー。

 光沢スプレーでコートしてゴール。初となる英国産ヒコーキ模型にユニオンジャックをまとわせる高まりたるや! 塗装といっても下地に白吹いて赤にしただけ。コックピットと飛行士は無塗装。箱を開けてからこうなるまでの疾走感が「海外のプラモは難しそう」というイメージを払拭してくれました。まさにコミュニケーション。

▲同封されたイギリスのハンブロール社の接着剤。硬化は遅いがプラを侵食せずしっかり固定できて硬化後は透明。セメダインのハイグレード模型用に通ずる使い勝手

 梱包や印刷物にお国柄を感じるところから始まり、パーツの肉厚さゆえの手応え、プラの削り心地、簡素版キットながらこだわりを感じる造形。かの “Battle of Britain” から80周年のタイミングに世に放たれた事に思いを馳せることも含めて、信頼感ある英国人と良い時間を過ごせました。残るスピットファイアの塗装は、英国の酒を飲みながらだなー。

ダテツヨシのプロフィール

ダテツヨシ

「つくる」をテーマに、世間話をしています。

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