プラモのデカール貼りが苦手な人に改めて贈る、「私の推しツール&マテリアル5選」。

 ボディをシルバーのスプレーで吹いてデカールを貼る。ザウバーメルセデス C9は全体がまるっと一色なので、とりあえず塗ってとりあえずデカールを貼ればプラモを全塗装した実績が解除される弥勒菩薩みたいなプラモである。レーシングカーでまるっと単色って、そう多くないもんねぇ。

 さて、ボディにデカールを貼ろう。デカールを切り出すにはデカール用のハサミがあるとマジ便利。刃渡りが短いので小回りが効くのと、先端が鋭く尖っているから切っ先の厚みが邪魔をせず、どこを切っているのか視認しやすい。デカールだけに限らず、ハサミで緻密な細工をしたいときには持っているべき一本。

 そういえばこのキット、デカールに「MADE BY CARTOGRAF」と入っていますね。これは「大吉」です。イタリアにある世界最高峰のデカールメーカー、カルトグラフ社製の分厚くて透けなくてあまり伸びないけどしっかりと細かな彫刻に追従するその品質は、貼ったら分かります。どんなに難しい局面でも、慌てず騒がずしっかり対処していけば、貴方にも絶対に貼れる。それがカルトグラフ。

 必要なデカール(最初に大きいのを貼るとトラブルが少なく、全体のこまかな位置関係も把握しやすくなるよ)を切り出します。左奥にあるのはデカール貼りのマストアイテム、デカーリングQuickトレイです。これは本当に素晴らしい商品なので何度でも紹介したい。とにかくコレがあれば連続したデカール貼りが効率的に、気持ちよく進められます。

 水たまりに浸されたスポンジにデカールを乗せ、トレイを引き上げます。デカールはビチャビチャにならず、台紙に含まれる水分量がほぼ一定に保たれることによって、一度に大量のデカールを「いつでも貼れる状態」で長時間保持してくれます。どれくらい水に浸していればいいのか、デカールをつついて動くようになったか、その絶妙な具合を気にしなくても、ここにザッと揚げておけば次々ひょいひょい貼れます。

 パーツ表面にスルンと乗せます。あまりにビタッとくっついて動かない時はハイキューパーツの「デカールフィクサー」をさっと塗って滑るようにしておきましょう。シワになったり折れ曲がったりしても慌てない。水を含ませた筆の先でじっくりともとのカタチに伸ばせば必ず台紙に乗っかっていた時の状態に戻ります。下に彫刻があって馴染みにくい時は、デカールを柔らかくするマークフィットを使いましょう。マークフィットは軟化させる力に応じて3種類ありますが、実際に使ってどれが自分に適しているか試してみてください(これはデカールの質や気温によってかなり変わります!)。

 デカールとパーツの間に入った水は筆で撫でて大まかに押し出したら、デカールスキージーを優しくコロコロして密着させます。端っこから転がすとデカールがスキージー側にへばりついてくることがあるので、デカールの真ん中から外側に押し出すイメージで、とにかく軽くコロ、コロ、コロと押し付けましょう。

 うむ、小綺麗に貼れました。今回紹介しているデカールの貼り方は、私のイチオシ。どれも「他のもの」では置き換えられないナイスなツール&マテリアルたちです。切り出す、水に浸す、滑らせて乗せる、水を追い出す(&ディテールに密着させる)。この4つの工程のどこが苦手か、どこで失敗しやすいかをいまいちど見直して適したツールを導入してみてください。確実に、デカール貼りの苦手意識を減らすことができるようになりますよ!

<a href="/author/kalapattar/">からぱた</a>
からぱた

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』http://wivern.exblog.jp の中の人。