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フロントグリルのゴツい輝きが人の口も輝かせたのか/シェベルSS 396に感じるBling Blingのルーツ

 ニコって歯を見せて笑うと、ギラっと光るダイヤモンド。「それって本物なの?」と司会者に聞かれると、アーティストはコクりとうなずく。MTVで流れるそんな風景を見た中学生の私は「歯にダイヤモンドを埋め込んでいる!」と大層びっくりしたものです。そして同時に妙な憧れを抱きました。

 それから何十年も経って、御徒町を歩くと、当時憧れたキラキラの歯の写真をたくさん飾ってあるお店がありました。その名もグリルズジュエルズ。 少年時代に見た歯のやつだという驚きと、さすが貴金属と宝飾品の街だな……という納得が同時に訪れます。そこで初めて、あの歯のキラキラは埋め込んでいたわけではなくグリルズという歯にかぶせるアクセサリーだと知りました。

 それにしたって店の外からも見られる写真のインパクトは相当なもの。こんなものを作ろうという発想への驚きは今も昔も変わりませんでした。ただ、あることに最近気づいちゃったんですよね。AMT 1/25 1969 シェビー シェベルSS 396のパーツを見ていると、フロントグリルが本当にギラギラ。しかも分厚いしゴロっとしていて今まで作った度の車のプラモデルとも違う雰囲気がある。アイツらがゴツいアクセサリーをBling Blingというのもわかるような存在感。

 こんなギラギラしたフロントグリルのついた車がイケてるとされる文化圏で暮らしていたら、人間の歯もギラギラにしてやろうという発想が生まれるのもうなずけます。特にグリルズをつけるようなHIPHOPアーティストのプロモーションビデオは、ギラギラしたフロントグリルの車がたくさん映ってます。

 「アメ車のグリル事情が、人間の歯をギラつかせたのでは?」とプラモデルを通じて納得していたら、グリルズは歯につけるアクセサリーなので、御徒町のグリルズジュエルズでは歯型を取って作成するということを知りました。グリルズを作るということはギラギラに光る「自分の歯の模型」を手に入れることに等しいというわけです。素材はシルバーと5Kから24Kまでゴールドなどの貴金属とデザインによってはダイヤモンドも。

 シェベルSS 396のボディをゴールドに塗ってフロントグリルをくっつける。そうして金と銀がギラギラしている様子を見ていたら「やっぱりグリルズ、ほしいな!」なんて思ったりしました。

■GRILLZ JEWELZ
東京都台東区上野3丁目4-1 飯岡ビル 1F
営業時間: 12時00分~19時00分
定休日:水曜日
https://grillzjewelz.jp/

クリスチのプロフィール

クリスチ

1987年生まれ。デザインやったり広報やったり、店長やったりして、今は普通のサラリーマン。革靴や時計など、細かく手の込んだモノが好き。部屋に模型がなんとなく飾ってある生活を日々楽しんでいます。
Re:11colorsというブログもやっています。

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