己にいいねを連打する/組んだ瞬間にカッコいいし、どこまで行ってもちゃんとカッコいいのがバイクのプラモデルだ!

 タミヤのドゥカティ916を買いました。916というのはマッシモ・タンブリーニというひとがデザインしたむちゃくちゃにカッコいいバイクで、これはタミヤ製キットですからまず何の間違いもなくしっかりとしたプラモが完成するのでしょう、きっと。でも私はバイクのプラモデルをまともに作りきった試しがありません。ひとつひとつのパーツを全部丁寧に仕上げようと思ったり、塗装をしっかりしなきゃと思っているうちに途中で止まっちゃうんですよね。パーツが多くて細かいモチーフなだけに、作り出すと悩んでしまうのです。

 しかし折角の再チャレンジ、まずは説明書の通りにできる作業を始めてみます。今度こそはちゃんとするぞ。いかんちゃんとしようと思いすぎてはいけない。凝ると完成しない。だいたいの形ができたらそれでゴールということにしよう。いや、やっぱり塗装はしたい。でもこの細かいパーツ、全部塗るのか。きっと挫折するぞ。完成へのハードルが乱高下します。

 まずはエンジンの形ができました。いろんなディティールが彫刻されていて、説明書には細かく塗り分け指示が記載されています。ここが正念場。「バイクのエンジンなんか真っ黒でいいんだ、えいっ」と黒いサーフェイサー(下地塗料)を塗って、スイングアームとフレームを組み合わせ、カウルを乗せてみました。おおっ、全然完成してないのに、カッコいいぞ。タイヤもカウルもついていない、バイクのような彫刻のような物体が出現しました。なるほど、バイクって整備中の姿がむしろカッコよく見えたりするもんね。

 「これならどこでやめたって大丈夫、どこでやめたってカッコいいものになるんだ」。そう考えると気が楽になりました。どうせならもう少し塗ってみよう。もう少しパーツも組み付けてみようかな。少しずつ欲が出てきます。もちろん安心のタミヤキット。どのパーツもパチピタと気持ちよくハマっていくので、組み立てには苦労しません。手を動かしていると、だんだん、作業のリズムが良くなってくるのがわかります。

 朝会社に行く前のスキマ時間に何か少しでも進めたくて、ブレーキディスクにチマチマと極細ピンバイスで穴を開けました。いいね。メッキのフロントフォークはガンダムマーカーで少し撫でたらチタンコートしたみたいな色に見えて、嬉しくなってハンドル周りと合わせて一気に組みました。いいねいいね。カウルは全部なしにしようと思ったけど、916のシャープな顔は捨てられず、ヘッドランプとフロントカウルも付けました。最初に塗った真っ黒なエンジンには少し色差しをしてみました。

 少しずつ作業を進めるごとに姿を変えるさまが楽しくて、気がつくとちゃんとバイクプラモができあがったのでした。ええ、まだランナーにはパーツが残ってます。でも大丈夫。このままでも、ここからでもカッコいい完成品なんです。いつでも好きな時に好きなだけ。バイクプラモって楽しいですよ!

ヤジマ
ヤジマ

1985生まれ。インハウスの自動車デザイナーをしています。エンジンとタイヤのついたものが好き。