
息子が遊ぶくまモンのミニ四駆を買いに新橋のTAMIYA PLAMODEL FACTORY TOKYOに行った。「息子だけ欲しいものが手に入るなんてズルいぞ」という論理で私もプラモデルが欲しい。しかし日曜の午後であり、家には作りたいプラモデルが山とある。こうなると「小さくてスッと完成してカッコイイもの」がほしい。この精神状態のときに向かうのは1/72の飛行機模型、ウォーバードコレクションのコーナーである。

タミヤは戦車や自動車やバイクや艦船を幅広くプラモデルにしているが、ひとつのキットとして完結しているうえに古いものから最新のものまでいちばん安いパッケージとはなにか……と考えると1/72の戦闘機なのである。メッサーシュミットBf109 G-6は2019年4月に発売されたかなり新しいアイテムだが、ECサイトであれば1000円ちょっとで買えるところがまずすごい。しかもその設計は2018年に発売された1/48のBf109 G-6をベースとしているため、その完成度はお墨付き。

小さなパーツはいっさいの狂いなく所定の位置に収まり、それがあまりにも自然であるため途中で写真を撮るクセがついている自分でも組み立ての気持ちよさに流されてしまい、コクピットが組み上がったところでシャッターを押した以外はほぼ意識が飛んでいたと言ってもいい。アンテナやピトー管といったごくごく小さなパーツにもしっかりと大きなノリシロが設けられていて、組み立てていてイライラすることもまったくない。

色を塗らずにパーツを切って貼るだけならジャスト1時間。エンジンも機銃も強化されて機首の側面がぐいっと筋肉のように膨らんでいるのが特徴的なG型のメッサーが文字通りあっという間に形になる。塗装のパターンは2種類が用意されていて、デカールもけっこう量が多い。もしもこれをちくちくと塗り分けながら作っていったらおそらく何日も楽しめてしまうだろう。
タミヤのウォーバードコレクションとしてはもっとも新しいレシプロ機となるメッサーのG-6。同じような立ち位置に飛燕という戦闘機もいる。どちらも組み立てを経験した自分のストレートな感想だが、このキットは週末の時間にカチッと寄り添ってくれるパーフェクトなパッケージングだ。

安い、早い、小さいというのはそれぞれプラモデルの価値を決める僅かな要素でしかない。だけど、それらを全部兼ね備えてなお、こんなにカッコいい立体物がスッと机上に現れる体験というのはちょっと筆舌に尽くしがたいものがある。飛行機模型とはどんなものだろう、と思っているすべての人にオススメしたい、本当に素晴らしいプラモデルだと思った。