手にすくっても流れてしまう水という物質をジオラマの中に閉じ込める。透明or半透明で表現された「水」は、「いったいどうやって作ったのだろう?」と、一瞬で人の視線と思考を奪うことができるスペシャルなテクニックです。
そんな水表現の様々なテクニックを1冊にまとめた書籍が、戦車模型雑誌アーマーモデリングの編集部より発売となりました! お手軽な方法から、大規模なジオラマの中の水まで、これ1冊あればあなたの表現力が増すこと間違いなしです。
ジオラマの土を作るための塗料が発売されているように、水という透明なものを生み出すマテリアルも豊富に発売されています。透明エポキシ樹脂、クリアープラ板、水面を作るための表層素材などなど。水を作ろうと思うだけで、模型の透明マテリアルを多数知ることができます。本書では代表的なアイテムをリコメンド方式でご紹介しているので、「まずはこれを買えばいいんだね」と迷うことなく水に挑戦することができます。
水が作れるようになったら、水の活かし方を図解によって詳細に解説。このページは本当に面白くて、ジオラマで人の視線を独り占めしちゃうヒントが盛りだくさん。めちゃくちゃためになります。
ジオラマのアイデアノートを読んだ後に、作例ページがスタート。ジオラマを見る目を教えてもらった後に、各ジオラマを見るとめちゃくちゃ理解度が深まります。戦車の配置、地面や川の切り方、人の数などアイデアノートの例にピシピシとあてはまっていきます。アイデアノートと作例ページを行ったり来たりして読むと本当におもしろいですよ。
人の心をつかむ透明の世界「水」。本書を読むと、今まで実態をつかめなかった水の世界との距離が一気に縮まります。僕もこの本を読んで、さっそくKATOのディープウォーターを流し込んでみたくなりました。なんだか難しそうという思考を、川の流れのようにスムーズに流してくれました。ぜひ本書を読んで、カッコイイ水表現をゲットしてください!!
1983年生まれ。模型雑誌編集や営業を経て、様々な世界とリンクする模型の楽しみ方にのめり込む。プラモと日常を結びつけるアプローチで模型のある生活を提案する。ブログ/フミテシログ(http://sidelovenext.jp/)