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それは、島をつかめるプラモデル/フジミ模型 1:3000 集める軍艦シリーズ No.99 軍艦島(端島)

 小さなジオラマというのは専門の展示会ではなくとも、公共施設に飾られていたり、ある日突然イベントが開催されていたりする。いつだったか帰りの駅で昭和の風景のジオラマがたくさん並んでいるときはびっくりした。
 そういうよくできたジオラマを見るたびに「しっかりと作り込まれていて、すごいな」と思う。建物や車などを指でつまもうものなら壊れてしまいそう。自分で作るのはちょっと難しそう。もちろん人が作ったものはおいそれと触ることもできない。自分で作れば、そのトラックを踏切の前に動かせるのに。なんて思いながら漠然とした憧れがあった。

 その憧れを満たしてくれる存在のように思えて、フジミの軍艦島のプラモデルを購入した。島のパーツには建物や山が表現されていて、いくら触っても大丈夫。小さくてすごいなぁなんて思いながら、軍艦島をいろいろな角度で眺めるのは、まさにジオラマを手に取って観賞しまくるという、展示物では満たされることのない気持ちを容易に満たしてくれる。

 別パーツで取り付ける建物も結構あって、それぞれが何の建物なのか説明があるのが嬉しい。小学校、寮、社宅など。そういえば、軍艦島という名前ばかり知っていたがこの建物たちはどの時期にどういう順番で建てられたのだろう。いきなり小学校も含めた島の中で完結する暮らしを考えたのだろうか。「ああ、なるほどね」と島の石炭の採掘が行われていたが故の独特さを感じるのはベルトコンベアで、このパーツだけで島の機能がわかるような気がした。

 それと海面を表現したプラスチックの青い板と、島に寄り付く船が結構面白い。これがないと島っぽさが意外と出なくて、これはこれで「どうすれば島にみえるのか」というプラモデルとしての演出がうかがい知れる。
 説明書には「鉄道模型用のバラストなどを使用すると、実感的になります」と書いてある。そう、実際に人が住んでいた頃の軍艦島と、建物が崩れ廃墟として存在する今の姿のどちらも作れるのだ。他にも「サヨナラ ハシマ 1973.10」というデカールもついていて、いつの軍艦島を作ろうか本当に悩ましく、考えるのが楽しいプラモデルだ。

クリスチのプロフィール

クリスチ

1987年生まれ。デザインやったり広報やったり、店長やったりして、今は普通のサラリーマン。革靴や時計など、細かく手の込んだモノが好き。部屋に模型がなんとなく飾ってある生活を日々楽しんでいます。
Re:11colorsというブログもやっています。

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