神はそのかわいた地を陸と名づけ、水の集まった所を海と名づけられた。神は見て、良しとされた。

 潜水艦のプラモを作ったら、できた。しかし潜水艦というのは水の中をしずしずと進む乗り物。水を作って初めて「潜水艦というのがどういう乗り物なのか」を表現できるのではないか、と作りながら思ったのだった。作ってる顛末はこちらで読んでください。

 大西洋の大海原で駆逐艦率いる輸送船団を虎視眈々と狙うUボート。狙いを定め、突如として浮上しながら魚雷を一斉射する恐ろしい狼……というシーンを思い描いていたので、舵とかスクリューとか、水の下に沈んでしまうところはあえてパーツをくっつけずに「完成」としておいたのだよ明智くん(誰)。

 ニクロム線を滑らせてUボートのカタチにスタイロフォームをくり抜く。顔の皮膚にほのかに伝わってくる輻射熱と、スチレンが溶けてちょっとだけトキシックな匂いが鼻をつくこの感じ。小学校時代の工作を思い出してすごく楽しい。みんな、スチレンをニクロム線でカットしてみよう。めっちゃワクワクするぞ。

 明鏡止水のスタイロフォームに波風を立てる。台所からくすねてきましたりはサンホイル。これをグシャグシャと丸めてから広げ、木工用ボンドで貼り付けていく。なんとダイナミック!プラモのちまちました作業から開放されるがごとく、校庭を駆けずり回りながらボールを蹴るがごとく。なんだか自由である。

 潜水艦は水面を割り、切り裂くような舳先が白波を立てて一気に浮上してくる。と思う。たぶん。だからそのように見える波をイメージして、アルミホイルをチクチクと曲げたりつまんだりして、造形する。エラソーに言っているが、こんな作業はやったことがないのですべて手探りだ。手探りでもなんとなくそれっぽくなってくれと願いながら一気に作業を進める快感。なに、失敗しても次があるさ。

 アルミホイルに塗料が乗るようにし、波のツノが立った状態にしながらも凹んだ部分のシャープさを少し和らげるという効果を期待して、アルミホイルの上から木工用ボンドを塗りたくる。筆で波のグルーヴを感じながら、えっちらおっちらと塗り拡げていく。

 木工用ボンドの乾燥を待ちながら、大西洋の海の色を思う。さて、どんな色の水に、どんな飛沫が舞っているのだろうか。今日はイメージを膨らませながら寝ることにしちゃおう。みんなもズゴックとかグラブロとかでやってみるといいです。普段のプラモとは違う筋肉を動かすのが、すごく新鮮なので!

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からぱた

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』http://wivern.exblog.jp の中の人。