明鏡止水に波風を立てる!「プラモに塗る水」を君はもう使ったか!?

 マンガで見る「シーン……」という沈黙のオノマトペは「森(しん)とする」というフレーズの発展型と言われているとかなんとか。しかし上の写真を見てほしい。水面は凪ぎ、まるで明鏡止水の境地である。金閣寺のプラモに付属している水色のシールを貼ったところ、こうした風情になったのだ。これはこれでいいかもしれないが、私達はモデラーなので水のところは「水ですよ〜」という自己主張がほしい。

 そんなおり、ボークスホビー天国をウロウロしていたところ棚にものすごい見た目のボトルが置いてあった。聞けば「このケミカルを塗るとたちどころに水面が現れる」のだという。なんだそれは。聖書の冒頭なのか。

ファレホ ジオラマエフェクト 26204 アトランティックブルー 200ml 

 ボトルはじつに220ml入り。見た目はものすごい水色なのだが、中身はいったいどういうものなんだろうか。開けてみなけりゃわからない。それを開けるのがnippperなのです……。

▲めっちゃ青い木工用ボンドみたいな雰囲気

 ボトルの記載を見ると、とても粘度の高い水性アクリル塗料なので筆で塗りつけても水で洗えるとのこと。乾燥時間はおよそ24時間が目安であり、下地に濃い青を塗っておけば水の深さを表現することができる、とある。波を表現したければ先に凸凹を造形しておく必要があるそうだ。

 今回は1/200の水面なので、下地の青はすでに貼ってあるシールの助けを借りることにする。金閣寺の前にある池なので波もそんなに立たないだろうし、そのまま表面に透明感のあるゆらぎのテクスチャが加わればOKと自分に言い聞かせ、いざ実食。

▲メチョリ……。筆はぺんてるのネオセーブルである。

 塗っている感触はほとんど木工用ボンドだが、酢酸ビニルの匂いはなくほぼ無臭。ものすごく筆がもっちゃりするので恐ろしいのをぐっとこらえ、手早くシール表面にウォーターテクスチャーを塗りつけていく。細かい細かいさざなみを表現するため、塗り伸ばしながら筆先で垂直に叩き、こまかなツノを立てていく。

▲最近土木工事ばかりしている気がしてきた

 やっている最中は極めて不安だが、無心で庭を作っていくのは心の安寧に良い。そして周りの茶色い部分にもガンガン付着してしまうため、(ツルツルのプラスチックに対してであれば完全乾燥後に剥がせるものの、塗料の上からだとガッチリ定着して極めて剥がれづらくなる)はみ出るのがヤバい場合は事前に軽くマスキングテープで保護しておくと吉。私は泣きながらタミヤアクリルのフラットブラウンでタッチアップしてごまかした。

 乾燥すると水色のメチョメチョは美しいクリアーブルーの質感となり、そこには(リアルかどうかは置いといて、リアリティのある)水面が現れた。ちなみに今回使用したウォーターテクスチャはアトランティックブルー、すなわち大西洋の海の色を表現したもの。この他に太平洋、地中海、無色透明のものもある。もちろんファレホカラーと混色して好みの色を作ることもできるので、よりリアルな緑に淀んだ日本庭園の池の雰囲気を再現するのもいいだろう。

 ウォーターラインモデルによし、ズゴックによし。あらゆる水のシーンで好みの海面を作って欲しい。そして金閣寺、君は土台だけでどんだけ楽しませてくれるんだ……。まだまだ続く。

ファレホ 26203 パシフィックブルー 200ml

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からぱた
@kalapattar

模型誌の編集者やメーカーの企画マンを本業としてきた1982年生まれ。 巨大な写真のブログ『超音速備忘録』http://wivern.exblog.jp の中の人。